Web3を巡る論争、イーロンマスクやジャックドーシーがVC主導の現状を批判

Web3を巡る論争、イーロンマスクやジャックドーシーがVC主導の現状を批判

テスラ(Tesla)CEOのイーロン・マスク(Elon Mask)氏や、ブロック(Block)CEOのジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏が、次のインターネットのフェイズと言われている、いわゆるWeb3について、その構築にa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)などベンチャーキャピタルが大きく関与していることを批判した。

Web3とは、ブロックチェーンなどを基盤にし、ビットコインやイーサなど暗号資産活用した、分散化したインターネットサービスを指す言葉だが、まだその定義は曖昧である。

イーロン・マスク氏は先日「誰かweb3を見ましたか? 見つからないんだけど」とツイート。

このイーロンのツイートに対して、ジャック・ドーシー氏は「それはaからzのどこかにあるはず」とツイートで答えた。

マーク・アンドリーセン(Marc Andreessen)とベン・ホロウィッツ(Ben Horowitz)が設立したアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)などのベンチャーキャピタルは、ブロックチェーン、暗号資産、Web3領域を現在、重点的に支援している。

Web3は、その支持者らによると、ユーザーにプラットフォームやアプリケーションの所有権を与えることを意図しており、一方、現在のインターネットの形態であるWeb2では、メタ(旧フェイスブック)やグーグル(Google)といった少数のビッグテック企業のみがプラットフォームを支配しているとしている。

そしてジャック・ドーシー氏は「web3は皆さんの所有物にはなっていない。VCとそのLPが所有しているのだ。彼らのインセンティブから逃れることはできないだろう。それは結局、異なるラベルを持つ中央集権的な存在なのだ。自分が何に手を出しているのか知るべきだ…」とツイートした。

ドーシー氏のツイートは数千のいいね!とリツイートを集めたが、しかし異論を唱えたユーザーも多い。

そんな反対意見のツイートに対して、ドーシー氏は「ツイートが希望や夢を阻害するのであれば、もっと大きな問題がある。現状では私の意見は間違ってはいない。批評は修正に役立つし、もっと重要なことにエネルギーを振り向けることもできる」と反論した。

Web3は、NFTやメタバースと並び、今年多くの注目と資金調達を集めた技術的なバズワードとなった。

 (Reporting by Eva Mathews in Bengaluru; Editing by Shinjini Ganguli)
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
images:Reuters

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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