デジタル証券のセキュリタイズ、9月よりSaaS型不動産クラウドファンディングサービス提供開始へ

デジタル証券のセキュリタイズ、9月よりSaaS型不動産クラウドファンディングサービス提供開始へ

デジタル証券の発行・管理プラットフォーム提供のセキュリタイズ・ジャパン(Securitize Japan)株式会社がSaaS型の不動産クラウドファンディングプラットフォームを2021年9月に提供開始予定であることを明らかにした。このプラットフォームは不動産特定共同事業法(不特法)に準拠して、サービス提供される。

不動産特定共同事業法とは、不動産特定共同事業の健全な発展と、投資家の保護を目的として存在する法律だ。ちなみに不動産特定共同事業とは、不動産事業者が、複数の投資家から出資を受け、その資金で収益不動産を取得・運用し、生まれた収益を投資家に分配する事業のことだ。

そして9月よりセキュリタイズが提供するプラットフォームを活用することで、事業者は不特法に準拠したクラウドファンディング事業をスピーディーに立ち上げ可能になることに加え、オプション機能によって、出資持ち分をデジタル証券(Security Token)化することで持分譲渡の簡易化が期待されるという。

具体的な特徴としてリリースでは次の4つが説明されている。

1.SaaS形式での提供により低コスト・短期間での導入が可能
2.ファンドの募集から償還まで全プロセスをカバー
3.様々な外部サービス・機能との連携をサポート(例えばeKYCやマイナンバー収納事業者)
4.出資持分のトークン化が可能(LIFULL社提供ツールと連携可能)

また株式会社アセットリードがこのプラットフォームを採用することが既に決まっているとのことだ。アセットリード代表取締役社長の北田理氏は「Securitize社の革新的なプラットフォームを利用して不動産クラウドファンディング事業を行えることを嬉しく思います。アセットリードは今後もテクノロジーを活用した不動産投資の新しい形をお客様にお届けできるように邁進してまいります」とコメントしている。

そしてSecuritize Japanカントリーヘッドの小林英至氏は「セキュリティトークンは幅広い汎用性・可能性を持っています。この最先端の技術を不動産分野に応用し、効率化、利便性向上を通して、不特法を始めとする、不動産業界の更なる活性化に向けた取り組みに貢献することができれば嬉しく思います」とコメントしている。

編集部のコメント

2021年に入り日本でデジタル証券市場が盛り上がり始めています。7月9日には三菱UFJ信託、野村、SBI、ケネディクスが資産裏付型STOで協業を発表しました。このSTOは公募の形をとっており、一般投資家が参加できる形になっています。

またスイスではデジタル銀行シグナムが、ピカソの絵画を証券トークン化して1株60万円から取得可能な状態で公募する予定になっています。

今後もデジタル証券のような既にある規制に準拠した形での資金調達スキームは増えていくと考えられます。

おすすめ記事:セキュリティトークン、STO市場は拡大するか?〜国内各社動向と事例から考察〜

デザイン:一本寿和
images:iStocks/primo-piano・yewkeo

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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