LINEが中銀デジタル通貨事業を展開へ、韓国LINE Plusがアフリカと南米にて

LINEが中銀デジタル通貨事業を展開へ、韓国LINE Plusがアフリカと南米にて

メッセージングアプリLINEのグループ会社である韓国LINE Plus Corporationが、ブロックチェーンペイメントプラットフォームサービスを提供する米NuriFlex(ヌリフレックス)と中南米及びアフリカ地域における中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関するブロックチェーンプラットフォーム構築に向けたMOUを締結したことを5月27日発表した。

なお発表によると、韓国企業では初めて中南米・アフリカの金融プラットフォーム事業に進出することになるようだ。

ヌリフレックスは現在UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)プロジェクトとして知られるカメルーンの国家健康保険システムのコア技術パートナーとして参加しており、ブロックチェーン技術を活用した様々なサービスを提供する予定であるとのこと。また同社は大容量データ処理ソフトウェアプラットフォームを世界中の電力会社に提供しているという。またLINE PlusはLINEのグローバル市場を拡大するために設立された企業である。

今回のMOU締結により、両社のブロックチェーン技術を基に各国が政策と金融環境に合わせたオーダーメイド型CBDCブロックチェーンプラットフォームを開発し、CBDCに関心のある中央銀行に提供する予定であるとのことだ。

LINEのブロックチェーンラボは「LINEはすでに独自開発したブロックチェーンプラットフォーム基盤でブロックチェーンウォレットと様々なサービスを開発し、独自のエコシステムを運営しています。ヌリプレックスの中南米及びアフリカにおけるビジネス経験とLINEのブロックチェーン技術の結合により当該地域にCBDCを通じた金融産業に革新を起こすことを希望しています」とリリースにて述べている。

ヌリフレックスのCEOであるエリザベス・パーク(Elizabeth Park)氏は「ヌリフレックスグループは中南米及びアフリカ地域の国家電力網産業ですでにビジネス成果を出しており、またブロックチェーン基盤のデジタル決済及びプラットフォームサービスの提供について世界中のパートナーと議論している」とし「ヌリフレックスの中南米及びアフリカ地域での事業開発経験とラインのブロックチェーン技術の結合は該当地域でのCBDC事業機会を成功させる上で大きなメリットとなるだろう」とリリースにて述べている。

編集部のコメント

昨年10月にLINEはCBDC開発支援に乗り出したことが報じられており、また同社広報担当者も「事実である」と認めていました。対象国については回答を得られなかったが、今回のニュースで中南米とアフリカが対象であったことが明らかになりました。

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(追記あり)LINEが中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発支援へ

参考:LINE Plus CorporationNuriFlex

デザイン:一本寿和
images:iStock/bakhtiar_zein

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。