自動車ブロックチェーンイニシアチブMOBIがブロックチェーンを基盤としたEVと電力網の接続規格を発表

自動車ブロックチェーンイニシアチブMOBIがブロックチェーンを基盤としたEVと電力網の接続規格を発表

大手自動車メーカーが参画する自動車ブロックチェーンイニシアチブであるMOBI(Mobility Open Blockchain Initiative)が、業界初の電気自動車と電力網の接続規格(EVGI:Electric Vehicle Grid Integration)を10月6日に発表した。

MOBIはブロックチェーンやDLT技術を活用して、モビリティサービスをより効率的にすることを目標にしたイニシアチブで「電気自動車(EV)と電力供給網の統合」「金融・証券化・スマートコントラクト」「サプライチェーン」などの必要なテーマごとに参加メンバーがワーキンググループを組織している。

MOBIは昨年、電気自動車の充電システムの充実と電気自動車のバッテリーを利用した蓄電および電力供給を専門的に研究するために、ホンダとゼネラルモーターズ主導のもとEVGIワーキンググループを立ち上げた。そして今回このワーキンググループからEVGIの国際規格に関する設計仕様書が発表された(なおEVGIワーキンググループはホンダやGMなどの自動車メーカーのほか、アクセンチュアやIBMなどのIT企業、R3やIOTA財団などのブロックチェーン系の企業からの支援を受けている)。

MOBIの発表によると、このEVGIの国際規格で想定されているユースケースは「V2G(Vehicle to Grid:車両と電力網の接続)」、「TCC(Tokenized Carbon Credits:炭素クレジットのトークン化)」、「P2Pアプリケーション」の3つの分野が挙げられている。この国際規格では使用するブロックチェーンやDLTを指定するというよりも、データの属性や機能性の統一に重点が置かれているとのこと。

MOBIのCOOでありファウンダーのトラム・ボー(Tram Vo)氏は「EVGI規格を導入することで、電気自動車、充電システム、電力供給者は安全なアイデンティティを持ち、標準的なメッセージング形式で通信し、充電、発電、交換などの取引を自動的に分散型台帳に記録することができる」と述べている。

編集部のコメント

ブロックチェーンを利用して電気自動車と電力網の接続を試みるプロジェクトは多数存在し、日本でも2019年5月にトヨタが東京大学、TRENDEとともにソーラーパネルや電気自動車を利用した個人間の電力取引を可能にする次世代電力システムの実証実験を発表しています。

またMOBIに参加している自動車メーカーはHONDA、BMW、Ford、General Motors(ゼネラルモーターズ)、ルノー、HYUNDAI(ヒュンダイ)などで、MOBIに参加している主なブロックチェーン企業はConsensys、Enterprise Ethereum Alliance、Hyperledger、R3、Rippleなどです。

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:iStock/Nelli-Velichko・LuckyStep48)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

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