フラッシュローンによる価格操作で償還額が約33倍に
オンチェーン分析アカウントのオンチェーン・レンズ(Onchain Lens)が、BNBチェーン(BNB Chain)上のインシュアランスプール(InsurancePool)に対する攻撃を11月4日に報告した。同プールでは約17万9,500ドル(約2,840万円)相当のBNBが純減したとされる。一方、攻撃者はフラッシュローンを利用した価格操作によって、ガス代を差し引く前で約160.26BNB(約11万1,000ドル、約1,760万円)の利益を得たとみられる。
オンチェーン・レンズによると、攻撃者はリスタDAO(Lista DAO)のムーラー(Moolah)を通じて、約1億4,360万ドル(約227億円)相当のラップドBNB(WBNB)をフラッシュローンで借り入れた。フラッシュローンとは、同一トランザクション内での返済を条件に、担保なしで資産を借り入れられる仕組みだ。また、WBNBはBNBを分散型金融(DeFi)サービスなどで利用できる形式にしたトークンを指す。
攻撃者は借り入れたWBNBを使い、大規模なスワップ取引によって流動性プールの価格を操作したとみられる。流動性プールとは、預け入れられた資産を使って交換取引を可能にする仕組みだ。プール内の交換価格は大量の取引によって大きく変動することがあり、その価格を別のスマートコントラクトが資産の評価に利用している場合、支払額が過大になる可能性がある。
ブロックチェーンセキュリティ企業のサーティック(CertiK)は、今回の価格操作によってコアボールト(CoreVault)の償還額が約33倍に膨らんだと分析している。償還とは、トークンなどを所定の条件に従って別の資産に交換・払い戻しする処理を指す。攻撃者はコアボールトを通じてインシュアランスプールから260.21BNB(約18万300ドル、約2,850万円)を引き出した。その後、スワップ取引を逆方向に実行し、フラッシュローンを返済したとのことだ。
また、オンチェーン・レンズは攻撃を開始したウォレットと、流出資金の移動先とするアドレスを公開した。BNBチェーンのブロックエクスプローラー「BscScan」では、攻撃に関連するとされるトランザクションが11月4日6時50分20秒(日本時間)に実行され、260.21BNBが送金された記録を確認できる。
一方、インシュアランスプールやコアボールトの運営主体による公式な被害報告や、流出資金の回収状況などは、今回確認した情報からは明らかになっていない。
INSURANCEPOOL / COREVAULT EXPLOITED FOR ~$111K ON BNB CHAIN ⚠️ An attacker appears to have used flash loan price manipulation to trigger an inflated redemption payout. Attack sequence: 1. Borrowed ~$143.6M in WBNB via Lista DAO’s Moolah. 2. Manipulated liquidity pool prices through large swaps. 3. Triggered a 260.21 BNB (~$180.3K) withdrawal from InsurancePool via CoreVault. 4. Reversed swaps and repaid the flash loan. 5. Walked away with ~160.26 BNB (~$111K) before gas. InsurancePool’s net BNB depletion was ~$179.5K.
— Onchain Lens (@OnchainLens) November 4, 2026
#CertiKAlert 🚨 A flash-loan-funded oracle attack inflated a CoreVault redemption ~33×, depleting InsurancePool and leaving the attacker with 160.26 BNB (~$112.2K) after reversing the trade. https://t.co/ZvaBsWpoR8 CertiK Report Security Dashboard 👇 https://t.co/Yqz3kRVoso
— CertiK Alert (@CertiKAlert) November 4, 2026
画像:PIXTA