iPhone、サイト閲覧で暗号資産盗難の恐れ。SlowMistが「DarkSword」悪用を調査

脆弱性が残るiOSが対象、OS更新と不審なリンクへの警戒呼びかけ

ブロックチェーンセキュリティ企業スローミスト(SlowMist)が、iPhoneを狙う攻撃手法「ダークソード(DarkSword)」を悪用した攻撃基盤の調査結果を10月19日に公表した。

脆弱性が残るiOSでは、サファリ(Safari)で攻撃用コードが埋め込まれたページを開くだけで、端末に侵入される恐れがある。攻撃が成功すると、暗号資産(仮想通貨)ウォレットのデータや、パスワードなどを管理する「キーチェーン(Keychain)」の情報が収集され、外部に送信されるという。

ダークソードは、複数の脆弱性を組み合わせて端末に侵入する「エクスプロイトチェーン」だ。攻撃者は、アプリが扱える情報を制限する「サンドボックス」を突破し、通常はアクセスできないデータを取得する。グーグル(Google)の脅威分析チーム「Google Threat Intelligence Group(GTIG)」などが今年3月に調査結果を公表していた。

スローミストによると、公開された攻撃コードを組み込んだ基盤が9月下旬にオンラインで稼働していたという。同社は今回、その管理画面やウォレット情報の窃取機能などを解析した。

解析したコードには、ウォレット「imToken」「TokenPocket」「TronLink」を狙う処理が含まれていた。攻撃側の管理機能には、取得したウォレットの復元フレーズを使った残高確認や資金集約の仕組みもあったという。こうした復元情報の流出は、暗号資産の不正移転につながる恐れがある。

同社は、コード解析に基づき、攻撃に必要な手順がそろっていた範囲を、iOS 18.6〜18.7.2とiOS 26.0〜26.1と分析した。ただし、これは記載したすべてのバージョンの端末で攻撃成功を実証したことを意味するものではない。

スローミストは、iOSを最新の状態に保つことや、SMS・個別メッセージで届く信頼できないリンクを開かないよう呼びかけている。

アップル(Apple)は、4月2日付の公式サポートページで、古いiOSを狙うWeb経由の攻撃への対策としてOSの更新を案内している。同社は、同ページで扱う攻撃について、最新のソフトウェアに更新した端末は保護されていると説明。更新が難しい場合には、端末の機能を制限して攻撃のリスクを抑える「ロックダウンモード」の利用を検討するよう呼びかけている。

参考:SlowMist調査報告・Google Threat Intelligence Group調査報告・Lookout調査報告・Apple公式案内
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。