満期に応じた価格調整や外部ボールトと連携する流動性管理に対応
DeFi(分散型金融)プロジェクト「ネイピアファイナンス(Napier Finance)」の主要開発元ネイピアラボ(Napier Labs)が、新たな自動マーケットメーカー(AMM)「トキフック(TokiHook:Napier AMM)」をロビンフッドチェーン(Robinhood Chain)上でローンチしたと10月22日に発表した。
ネイピアファイナンスは、利回りを生む資産を、元本部分を表す「PT(Principal Token)」と、利回りを受け取る権利を表す「YT(Yield Token)」に分離し、それぞれの取引を可能にするプロトコルだ。TokiHookは、このうちPTの市場に対応する。
TokiHookは、満期のある資産の取引に向けて設計されたAMMで、分散型取引所(DEX)プロトコル「ユニスワップv4(Uniswap v4)」の拡張機能「フック(Hook)」として開発された。フックは、資産の交換や流動性の追加・引き出しなどの処理に、開発者が独自のルールを組み込める機能である。
ネイピアラボによると、従来のAMMは、満期までの残り期間に応じて価格特性が変化する資産に特化した設計ではなかったという。TokiHookでは、満期が近づくにつれて価格曲線を調整する仕組みを採用したとのこと。また、市場環境に合わせて流動性を提供する範囲を設定できる「集中流動性」にも対応する。
さらに、AMMと、資産を預けて運用する外部ボールトの間で、流動性を動的に管理する「ジャストインタイム流動性(Just-in-Time Liquidity)」を備えるという。この機能は、対応する外部ボールトから資産を引き出せる範囲で利用できる。
なおネイピアラボは、今回のローンチに先立つ10月13日、TokiHookのソースコードをGitHubで公開していた。同社はDeFiの利回り取引を出発点に、オンチェーンの債券・金利市場に向けた市場基盤の構築を目指している。
また同社は、2025年8月のNapier AMMの紹介時に、ユニスワップv4が稼働する各チェーンへの展開方針を示していた。
ロビンフッドチェーンは、米投資アプリのロビンフッド(Robinhood)が、アービトラム(Arbitrum)の技術を用いて構築したレイヤー2ブロックチェーンだ。金融サービスや現実資産(RWA)のトークン化に向けて設計されており、開発者は許可なくアプリケーションを構築できる。
同チェーンでは、株式に連動する「ストックトークン(Stock Tokens)」を扱い、対象地域の利用者は24時間365日の取引や、貸付・担保利用などのDeFiでの活用が可能だ。また、イーサリアム(Ethereum)のセキュリティを活用し、ブロック生成間隔は100ミリ秒(0.1秒)としている。
DeFiデータサイトのディファイラマ(DefiLlama)が10月21日時点として表示するデータによると、ロビンフッドチェーン上のDEXの現物取引量は、過去24時間で約9億438万ドル、過去7日間で約64億6,100万ドルとなっている。また、同チェーン上のDeFiに預け入れられた資産総額を示すTVLは、約11億5,900万ドルだ。
なおネイピアラボは、日本人起業家の小副川祐輔氏が起業したドバイ拠点の企業だ。
Napier AMM (aka TokiHook) is live! A purpose-built market engine for fixed-maturity assets ・Time-adaptive pricing ・Configurable liquidity ranges ・Just-in-time liquidity Starting today. On @RobinhoodCrypto https://t.co/s9kElBfWjV https://t.co/p3iHRNSLCF
— Napier (@NapierFinance) October 21, 2026
参考:ネイピア・Napier AMM・ディファイラマ
画像:PIXTA