韓国国税庁、暗号資産課税の基準を11月にも告示へ。2027年1月の課税開始に向け準備

ステーキングやエアドロップなどの課税基準が焦点に

韓国国税庁が、暗号資産(仮想通貨)の課税基準を定める告示を11月頃に出す方向で準備を進めているようだ。現地メディア「ヘラルド経済」などが10月13日に報じた。

韓国国税庁のイム・グァンヒョン(林光鉉)長官(当時)は10月13日、世宗市の政府庁舎で開かれた国会財政経済企画委員会の国政監査に出席。野党「国民の力」のイム・イジャ(林利子)議員から暗号資産課税に関する告示の時期を問われ、「11月頃にできるよう準備している」と答えた。

韓国では現行の所得税法に基づき、2027年1月1日から暗号資産の譲渡・貸付によって得た所得への課税が開始される予定だ。対象となる所得は「その他所得」に分類され、年間250万ウォン(約29万円)の基礎控除を差し引いた金額に、地方所得税を含む22%の税率が適用される。

今回の国政監査では、ステーキングやエアドロップ、ハードフォーク、DeFi(分散型金融)など、取引類型ごとの課税基準が明確になっていないことが問題視された。

イム議員は、こうした取引に対する課税基準の整備が不十分だと指摘。これに対しイム長官は、取引の類型や名称よりも経済的な実質が重要だとし、暗号資産の「譲渡」または「貸付」に該当するかが判断の焦点になると説明した。

またイム長官は、エアドロップやハードフォークについても、譲渡や貸付の性格を持つ場合は課税対象になるとの認識を示した。一方、ステーキングなど一部の取引については、財政経済部との協議が必要だとした。

これを受け、財政経済企画委員会のチョ・スンレ(趙承来)委員長は、国会が課税の猶予を決定しない限り、予定通り制度が施行されることを前提に準備を進めるよう政府に要請。10月22日の総合監査で告示計画を報告するよう求めた。

なお、課税対象となる投資家数や税収見込みについて、イム長官は具体的な数字を示さなかった。制度施行後に取引資料を取得し、2028年5月の申告分から検証を進める方針を示している。

また、アップビット(Upbit)、ビッサム(Bithumb)、コインワン(Coinone)など国内5取引所の課税システム整備が不十分との指摘に対しては、各取引所と実務レベルで継続的に協議していると説明した。

国際的な暗号資産取引情報の自動交換枠組み「CARF(Crypto-Asset Reporting Framework)」についても言及した。

イム長官は、CARFの導入により各国間の取引情報の交換が進展するとの見方を示す一方、個人間のウォレット取引など、税務当局による把握が難しい取引については課題が残ると認めた。

なお韓国では、暗号資産課税の開始を巡って延期を求める動きも続いている。

9月14日には、課税開始を2027年から2029年へ2年間延期するよう求める国民同意請願が、国会の所管委員会への付託に必要な5万人の賛同を得たと報じられた。

韓国ではこれまで暗号資産課税の開始が複数回延期されている。ただし、課税開始時期については、追加の法改正によって変更される可能性も残されている。

参考:連合ニュース ・ヘラルド経済・韓国国税庁・報道
画像:PIXTA

関連ニュース

 

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【10/14話題】レジャーの不正部品による復元フレーズ窃取の手口公表、メタプラネットがユーロ円建て転換社債を初発行へなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

広告