XRPレジャーで権限委任機能が有効化、秘密鍵を共有せず操作を分担

送金やトークン利用者の承認を別アカウントに委任可能に

XRPレジャー(XRP Ledger:XRPL)のメインネットで、権限委任機能「パーミッション・デリゲーションV1_1(PermissionDelegationV1_1)」が10月8日(日本時間10月9日)に有効化された。XRPLの稼働状況を監視するサイト「XRPL Dashboard」の記録による。

同機能は、アカウントの所有者が、送金やトークン利用者の承認など、特定の操作を別のアカウントに任せるための仕組みだ。所有者は、自身のアカウントを管理する秘密鍵を委任先と共有せずに、操作権限を分担できる。

所有者は、委任先のアカウントと付与する権限を指定する。委任先は自身の鍵で取引に署名し、許可された操作だけを所有者に代わって実行する。所有者は、付与した権限を後から変更・取り消すことも可能だ。

XRPLの公式ドキュメントでは、ステーブルコイン発行者による利用例が示されている。発行者は、本人確認などの規制要件を満たした利用者にトークンの保有を認める操作を、別のアカウントへ委任できる。

これにより発行者は、日常的な利用者の承認に必要な鍵をオンラインで運用しながら、アカウントを全面的に管理する鍵をオフラインで保管できる。発行者は、適切に権限を設定することで、委任先の鍵が漏えいした場合の被害を抑える構成を取れる。

委任先のアカウントには、それぞれ最大10個の権限を付与できる。ただし、鍵の変更や他のアカウントへの追加の権限付与など、一部の操作は委任できない。また、委任できる権限は取引の種類や操作内容に基づいて定められており、特定の通貨だけを送金可能にするといった独自の権限設定には対応していない。

同機能は、8月6日に公開されたXRPLのサーバーソフトウェア「xrpld 3.3.0」に収録されていた。XRPLでは、機能変更に対する信頼されたバリデーター(取引の検証者)の賛成が80%を超え、その状態が2週間続くことで変更が有効化される仕組みとなっている。

あたらしい経済は9月24日、同機能の有効化に向けた投票状況を報じていた。当時、同機能を支持するバリデーターは35のうち28で、支持率は80%となっていた。同機能は有効化に必要な80%超の支持を満たしていなかった。

なおXRPLの公式ドキュメントでは、修正機能「fixCleanup3_4_0」が有効化されるまで、トークンを焼却するための「ペイメント・バーン(PaymentBurn)」権限を委任しないことが推奨されている。

修正前は、同権限を付与されたアカウントが、一定の条件でトークンを新規発行できてしまう場合があるという。対象はXRPL上で発行されるトラストライン型トークンやマルチパーパス・トークン(MPT)で、他の個別権限には影響しないと説明されている。

参考:XRPL Dashboard・XRPL公式「Permission Delegation」・公式仕様「XLS-0075: Permission Delegation」
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。