チェーンリンク「CCIP 2.0」公開、金融機関が資産移転に独自の検証を追加可能に

チェーン間の資産移転で検証・コンプライアンス機能を拡充

分散型オラクル基盤「チェーンリンク(Chainlink)」のクロスチェーン相互運用プロトコル「CCIP」の新版「CCIP 2.0」が9月28日に公開された。

CCIPは「Cross-Chain Interoperability Protocol」の略称で、異なるブロックチェーン間でトークンやデータを移転するための仕組みだ。今回のアップグレードでは、金融機関や資産発行者が、独自の取引検証やコンプライアンス上の管理を組み込むための機能が拡充された。

発表によると、機関利用者は一度のシステム統合で複数のブロックチェーンに接続できるとのこと。設定したセキュリティやリスク管理のルールを、新たに利用するチェーンにも適用でき、チェーンごとに接続基盤を作り直す負担を抑えられるという。

主な追加機能は、利用者自身が取引検証に参加できる「クロスチェーン・ベリファイアー(Cross-Chain Verifier:CCV)」だ。自社で運用するCCVによる追加の検証を、送信先チェーンで取引を実行するための条件に設定できる。チェーンリンク側の標準的な検証と、追加したCCVによる検証の両方を経て、取引が実行される仕組みとなる。

CCVは自社で運用するほか、第三者の事業者が運用するものも利用できる。アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)とグーグルクラウド(Google Cloud)向けには、導入用のスターターキットが用意されている。

また、本人確認(KYC)、マネーロンダリング対策(AML)、制裁対象者の確認などを各取引に適用する機能も備える。公式ブログによると、コンプライアンス管理基盤「チェーンリンクACE(Chainlink Automated Compliance Engine)」との連携により、取引金額の上限や送受信者の許可リストといった条件も設定できる。

取引の処理速度も、用途やリスク許容度に応じて設定可能だ。標準設定では送信元チェーンで取引が最終確定するまで待つ一方、確認ブロック数などを調整し、最終確定前に送信先で処理する方式も選べる。こうした高速化機能の利用は任意となる。なお利用には、トークンの管理側や検証・実行を担う各仕組みで、高速処理を許可する設定が必要となる。

発表では、CCIP 2.0のパートナーや支援企業として、豪ANZ銀行、フィデリティ・インターナショナル(Fidelity International)、SBIデジタルマーケッツ(SBI Digital Markets)、シグナム(Sygnum)などが挙げられている。

参考:チェーンリンク
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。