Zcashの次期アップグレード「NU7」、メインネット導入は11/5予定。ブロック間隔を25秒に短縮

ジーキャッシュ「NU7」が11月5日にメインネット導入へ

プライバシー保護機能を特徴とするブロックチェーン「ジーキャッシュ(Zcash)」の次期ネットワークアップグレード「NU7」の内容と実施スケジュールについて、開発に関わる組織やエンジニアリングチームが合意した。ジーキャッシュのプロトコル開発者ショーン・ボウ(Sean Bowe)氏が9月17日に発表した。

ジーキャッシュでは、ゼロ知識証明を利用し、送金元や送金先、金額などの情報を公開せずに取引できる「シールド取引」を利用できる。

NU7に含まれる主な変更は、ブロック間隔を25秒へ短縮する「ZIP-218」、旧形式となるv4トランザクションの無効化、ネットワーク・サステナビリティ・メカニズム(Network Sustainability Mechanism:NSM)の導入だ。

ZIP-218では、現在75秒のブロック生成間隔を25秒へ短縮する。これにより、取引が最初の承認を得るまでの平均時間も75秒から25秒へ短縮され、決済や暗号資産(仮想通貨)取引所への入金、クロスチェーンブリッジなどでの待ち時間が短くなる。

また1日当たりに生成されるブロック数は現在の約3倍となり、ネットワークの処理能力も向上する。一方、ジーキャッシュでは新しいブロックが生成されるごとに、マイナーへの報酬として新たなZECが発行される。NU7では1ブロック当たりのZEC発行量が調整されるため、ブロック数が増えても時間当たりの発行量は従来と同じ水準に維持される。

ジーキャッシュではビットコイン(Bitcoin)と同様に、一定期間ごとに新規発行されるブロック報酬を減らす「半減期」が採用されている。半減期を重ねるにつれて新規発行されるZECが減少するため、将来的にネットワークのセキュリティを支えるマイナーへの報酬をどのように確保するかが課題となる。

この課題に対応する仕組みがNSMだ。NSMでは、トランザクション手数料の一部などをいったん流通から除外し、その金額を記録する。流通から除外されたZECは将来のブロック報酬として再発行されるため、NSMによってZECの供給上限が増えることはない。

NU7では既存の半減期を維持する。また意向調査の結果や関係組織による協議を踏まえ、NSMによるZECの再発行は2031年2月から開始する方針となった。

このほかNU7では、旧形式となるv4トランザクションが無効化される。これにより、ジーキャッシュの初期から利用されてきたプライバシー機能「Sprout」に残る資金は移動できなくなる。一方、NU7では新しいトランザクション形式は導入されない。ウォレットへの大きな影響は想定されていないが、フルノードやインデクサー、ブロックエクスプローラーなどのインフラには影響する可能性があるとのことだ。

今後は9月30日までにNU7に含める機能の実装を完了し、10月6日にジーキャッシュ公式テストネットで有効化する予定だ。その後、テストネットでの運用結果を踏まえ、10月20日にメインネット導入の最終判断と有効化するブロック高の決定を行う。問題がなければ、11月5日にメインネットでNU7を有効化する予定だ。

参考:フォーラム・公式サイト
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。