ソラナ次期コンセンサス「Alpenglow」、テストネット有効化待ちに。ファイナリティ約150ミリ秒目指す

ソラナ「Alpenglow」がテストネット有効化待ちに

レイヤー1ブロックチェーン「ソラナ(Solana)」の次期コンセンサスアップグレード「アルペングロー(Alpenglow)」の詳細なアップグレードガイドと移行チェックリストが、ソラナ財団(Solana Foundation)公式Xより9月21日に案内された。

アルペングローは現在、テストネットでの有効化に向けた段階にある。ソラナのバリデーターを動かす主要クライアントソフトウェア「アガベ(Agave)」を開発するアンザ(Anza)の「フィーチャー・ゲート・トラッカー(Feature Gate Tracker)」では、9月24日時点で「Pending Testnet Activation(テストネットでの有効化待ち)」となっている。

アルペングローは、ソラナで現在利用されているコンセンサス「タワーBFT(TowerBFT)」を全面的に置き換えるアップグレードだ。コンセンサスとは、バリデーターがどのブロックを正しいものとして採用し、最終確定するかについて合意するための仕組みを指す。

アップグレードによる大きな変更の1つは、ブロックが覆らなくなるまでのファイナリティの短縮だ。現在のタワーBFTでは、バリデーターがトランザクションとして投票を送り、十分な投票が32スロットにわたって積み重なることでブロックがファイナライズされる。ソラナ財団は、タワーBFTによるファイナリティを約12.8秒としている。

またアルペングローでは、新たな投票プロトコル「ヴォーター(Votor)」が導入される。ヴォーターでは、投票をトランザクションとしてブロックチェーンへ送る現在の仕組みを廃止し、バリデーター間で直接やり取りする。複数の投票を証明書に集約し、必要な投票が集まれば1回または2回の投票ラウンドでブロックをファイナライズする。

これによりアルペングローでは、ブロックが提案されてから最終確定するまでの時間を約150ミリ秒まで短縮することを目指す。ただし約150ミリ秒は固定された値ではなく、ネットワークの通信状況やバリデーターのステーク分布、必要な投票ラウンド数などによって変動する。

ファイナリティが短縮されれば、取引の確定を待って次の処理を行うサービスの待ち時間も短縮できる。ソラナ財団は、1秒未満のファイナリティによって、店頭決済などで取引の確定をほぼ瞬時に確認できるようになると説明している。

またソラナではアルペングローとは別に、スロット時間を400ミリ秒から200ミリ秒へ段階的に短縮するアップグレードも進められている。9月24日時点では250ミリ秒までの短縮がメインネットで有効化されており、200ミリ秒への短縮も予定されている。

スロット時間とファイナリティは異なる指標だ。スロット時間は各リーダーにブロック生成の機会を割り当てる時間単位で、1つのブロックを生成するために必ずその時間を要することを意味しない。一方、ファイナリティは提案されたブロックについてバリデーターが合意し、最終確定するまでの時間を指す。ソラナ財団は、スロット時間の短縮を取引がブロックに取り込まれるまでの待ち時間、アルペングローをコンセンサスによる確定時間の改善として位置付けている。

「Votor」と「Rotor」の2段階で導入

アルペングローは2段階で導入される。今回に続く第2段階では、ブロックデータをネットワーク全体へ伝える現在の仕組み「タービン(Turbine)」を「ローター(Rotor)」に置き換える。ローターの導入時期は現時点で決まっていない。 

現在のタービンは、ブロックデータを「シュレッド(shred)」と呼ばれる小さな単位に分割し、ネットワーク全体へ伝播する役割を担っている。

一方、アルペングローはソラナ仮想マシン(Solana Virtual Machine:SVM)やトランザクション形式、プログラム、手数料などの実行部分を変更しない。このため一般利用者に必要な移行対応はなく、ウォレットやアプリケーションも従来と同様に利用できるとのことだ。

バリデーター運営者は、BLS公開鍵を登録し、アルペングローに対応するアガベ4.3へアップグレードする必要がある。BLS公開鍵の登録を要件とする仕組みはアルペングロー本体に先立って導入されており、未登録のバリデーターはコンセンサスへの参加対象から除外される。

また、ブロックや投票、ファイナリティに関するデータを直接扱うインフラにも対応が求められる。インデクサーやブロックエクスプローラー、取引インフラ、ブロックビルダーなどは、アルペングローへの移行に伴ってデータ処理方法の一部を変更する必要があるとのことだ。

参考:ソラナ・ ギットハブ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。