暗号資産業界団体CCI、SECの「新型ETF」意見公募に意見書。ETF並みの効率的な手続きを要請

非ETF型ETPにも効率的な制度を

暗号資産業界の国際団体クリプト・カウンシル・フォー・イノベーション(Crypto Council for Innovation:CCI)が、米証券取引委員会(SEC)による「新型ETF(Novel ETFs)」に関する意見公募に対し、8月31日付で意見書を提出した。CCIのジ・フン・キム(Ji Hun Kim)CEOらが署名している。

SECは6月30日、革新的な資産クラスへの投資や新たな運用戦略を採用する「新型ETF」をめぐる意見公募を開始。同文書は7月2日に米連邦官報(Federal Register)へ掲載された。

SECによると、米国のETF市場は2025年末時点で純資産総額が12兆ドル(約1,890兆円)を超え、銘柄数は4,600本以上に達しているという。

ETF市場拡大の背景のひとつには、SECが2019年に投資会社法(Investment Company Act)に基づき制定した「規則6c-11」がある。同規則により、一定の条件を満たすETFは個別の適用除外命令を取得せずに運用できるようになった。

CCIは意見書で、暗号資産関連商品への需要拡大にも言及。米国の現物ビットコインETP(上場投資商品)の資産総額が1,000億ドル(約16兆円)弱に達したとの推計を紹介した。

またCCIが引用した業界推計によると、米国の成人の約18.6%にあたる約4,960万人がビットコインを保有しており、金の保有者数を上回るという。

CCIは今回の意見書で、主に3つの提言を行った。

1つ目は、投資会社として登録されるETFだけでなく、証券法に基づき登録される非ETF型ETPについても、ETFと同等に効率的で予見可能な規制プロセスを整備することだ。

CCIは、ETFでは証券法上の「規則485」に基づき、既存の投資会社に新たなファンドをシリーズとして追加する場合、登録届出書の事後効力発生修正が提出から75日後に自動発効し、既存ファンドに重要な変更を加える場合は60日後に自動発効すると指摘。暗号資産商品を含む非ETF型ETPについても、自動発効または登録時期の予見可能性を高める仕組みを検討すべきだとした。

税制面についても、規制投資会社(RIC)として組成されたETFが利用できるパススルー課税と、非ETF型ETPが直面しうる事業体レベルでの課税などの格差が指摘された。SECに対し、米財務省や内国歳入庁(IRS)と連携して対応を検討するよう求められた。

2つ目は、投資会社法上の「投資会社」の定義を維持することだ。

CCIは、現行の定義について長年にわたる判例や規制解釈の蓄積があり、市場参加者に明確性と柔軟性を提供していると説明。定義の変更は新たな不確実性を生じさせる可能性があるとして、現行制度の維持を求めた。

一方、投資会社に該当しないコモディティ・トラスト型ETPなどが「ETF」の名称を使用することで投資家が混乱する可能性については、ETPの名称のあり方を明確化し、投資家の混乱を減らす方策をSECが検討することを支持した。

3つ目は、新型ETFの登録手続きをめぐる機密性の確保だ。

SECは今回の意見公募で、人工知能(AI)の活用により、新たなETFの登録内容が競合他社に短期間で模倣される可能性があるとの市場参加者からの懸念を紹介している。

これに対しCCIは、SECとの事前相談プロセスや、登録届出書の草案を非公開で提出できる制度の検討を支持した。

ただし同団体は、こうした制度の導入によって「規則485」に基づく既存の手続きが利用しにくくなったり、自動的な効力発生までの期間が延長・停止されたりすることがないよう求めた。

CCIは意見書の結びで、市場や技術の変化を踏まえて規制制度を見直すSECの姿勢を評価。そのうえで、商品構造による規制上の格差を縮小し、投資家保護と金融イノベーションの促進を両立する制度設計を求めている。

参考:発表 
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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