イーサリアム上で発行・送付、BTCへ1対1で償還
ラップドビットコイン「サークル・ラップド・ビットコイン(Circle Wrapped Bitcoin:cirBTC)」が、イーサリアム(Ethereum)上でサークルミント(Circle Mint LLC)の全顧客が利用できるようになった。米ドル建てステーブルコイン「USDC」発行元のサークル(Circle)が8月17日に公式Xで発表した。
サークルミントは、米サークル・インターネット・ファイナンシャル(Circle Internet Financial, LLC)が提供する法人・機関向けサービスだ。主な利用者として、暗号資産取引所、機関投資家、ウォレット事業者、銀行、消費者向けアプリ企業などが想定されており、個人には提供されていない。
cirBTCは、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を1対1で裏付けとするイーサリアム上のトークンだ。ビットコインはそのままではイーサリアムのスマートコントラクトを利用できないが、cirBTCに変換することで、DeFi(分散型金融)での取引や担保としての活用が可能になる。
サークルは6月8日、cirBTCがイーサリアム上で稼働したと発表していた。今回、サークルミントの全顧客が利用できるようになったことで、本格的な提供段階に移行した形だ。
サークルミントの顧客は、BTCを預け入れることで、同量のcirBTCをミント(発行)し、外部のイーサリアムアドレスへ送付できる。またcirBTCを償還する際は、cirBTCがバーン(焼却)され、同量のネイティブBTCが指定したビットコインアドレスへ送付される。これらの操作には、サークルミントのウェブ画面またはAPIを利用できる。サークルの公式ドキュメントで手順が公開されている。
なお、サークルはサークルミントを複数の法的主体を通じて提供している。今回の対象はサークルミントの顧客であり、サークルミント・フランス(Circle Mint France)やサークルミント・シンガポール(Circle Mint Singapore)の顧客へのcirBTC提供については、今回の発表では明らかにされていない。
cirBTCは、バミューダ金融庁(Bermuda Monetary Authority:BMA)の認可を受けるサークル・インターナショナル・バミューダ(Circle International Bermuda Limited)が発行する。裏付けとなるBTCは、米通貨監督庁(Office of the Comptroller of the Currency:OCC)の監督下にある連邦認可信託銀行で、適格カストディアンでもあるサークル・ナショナル・トラスト(Circle National Trust)が保管する。
裏付け資産はcirBTC保有者の利益のためにサークルの企業資産と分別管理される。またサークルは、チェーンリンク・プルーフ・オブ・リザーブ(Chainlink Proof of Reserve)を利用し、cirBTCの裏付けとなるBTCをオンチェーンでリアルタイムに検証できる仕組みを提供している。
cirBTCは、トレーディング企業やマーケットメーカー、OTCデスク、資産運用会社、レンディング市場の参加者による利用が想定されている。BTCを売却せず、cirBTCを担保としてUSDCを借り入れるといった活用も見込まれる。
サークルは今後、同社開発のレイヤー1ブロックチェーン「アーク(Arc)」でもcirBTCを展開する予定だ。Arc対応後は、サークルミントを通じたBTCの預け入れ、cirBTCの発行、cirBTCを担保としたUSDCの借り入れまでを一体化したワークフローの構築を目指すとしている。
cirBTC is now live on Ethereum for all Circle Mint LLC customers.
— Circle (@circle) August 17, 2026
The underlying BTC is custodied by Circle National Trust, a federally chartered national trust bank and qualified custodian supervised by the OCC.
What’s next: Circle is building toward a simple, unified workflow… pic.twitter.com/lVsMibkhmH
画像:PIXTA