南アフリカが暗号資産の国外移転を規制へ
南アフリカが、暗号資産(仮想通貨)を同国の金融規制の枠組みに組み込むための一歩として、暗号資産の越境移転が規制および報告の対象となる条件を初めて明記したガイドライン案を8月3日に公表した。
南アフリカ財務省と南アフリカ準備銀行(SARB)が共同で公表した「越境活動に関する暗号資産マニュアル案(Draft Crypto Asset Manual for Cross-Border Activities)」は、4月17日に意見募集のため公表された「2026年資本フロー管理規則案(Draft Capital Flow Management Regulations, 2026)」を補完するものだ。
今回の動きは、南アフリカで暗号資産の利用が広がる中で打ち出された。ブロックチェーン分析企業チェイナリシス(Chainalysis)によると、同国にはすでに数百のライセンス取得済み暗号資産サービスプロバイダーが存在する。大手銀行も、機関投資家向け暗号資産商品の開発を進めており、開発が進んだ段階にある。
草案が施行されれば、個人が暗号資産を国外へ送付する際は、認可暗号資産サービスプロバイダー(CASP)を通す必要がある。また、認可事業者が当該取引を南ア準備銀行の金融監視局(FinSurv)へ報告する。
この規制案は、暗号資産が南アフリカの既存の金融規制を迂回する抜け道として利用されるのを防ぐとともに、当局が不正な資金の流れを検知し、遮断可能にすることを目的としている。
草案では、暗号資産取引が越境取引とみなされるのは、資産が国内の認可暗号資産サービスプロバイダーと国外の暗号資産サービスプロバイダーの間で移転される場合、または国内の認可暗号資産サービスプロバイダーから非カストディアルウォレットへ移転される場合だ。国外事業者との移転については、国外への流出だけでなく、国外から国内への流入も報告対象となる。なお、非カストディアルウォレットから国内の認可暗号資産サービスプロバイダーへの移転は、認められない取引とされている。
一方、国内の認可暗号資産サービスプロバイダーを通じてランド建てで暗号資産を売買する場合は、報告対象とならない。南アフリカ居住者については、当面、暗号資産の国外移転が認められるのは個人のみで、既存の単一裁量枠(single discretionary allowance)または対外投資枠(foreign capital allowance)の範囲内に限られる。
SARBによると、この枠組みは暗号資産に法定通貨としての地位を与えるものではない。また現時点では暗号資産の種類を区別しておらず、同行はさらなる調査を続けているという。
関係者からの意見募集期限は9月30日となっている。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
South Africa issues draft rules for cross-border crypto
(Reporting by Colleen Goko; editing by Marc Jones and Sharon Singleton)
参考:香港SFC
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters