メタプラネット、JPYCやProgmatとビットコイン活用のデジタルクレジット検討開始

日本の資金調達市場の課題を背景に

ビットコイン(BTC)の購入を積極的に進めている東証スタンダード上場企業メタプラネット(Metaplanet)が、Siiibo証券、JPYC、プログマ(Progmat)の3社と共に、ビットコイン・ステーブルコイン・セキュリティトークン(ST)を組み合わせた「デジタルクレジット」領域の共同検討を開始すると7月10日に発表した。

なおSiiibo証券は、メタプラネットが子会社化を予定している企業。Siiibo証券は7月13日付で「株式会社メタプラネット証券」に商号変更予定だ。

4社が開始する検討対象は、特定の「デジタル社債」に限定されず、社債をはじめとするクレジット性金融商品全般を視野に入れるという。ビットコインを中核資産とする財務戦略、ステーブルコインによる決済・分配機能、STによる権利表章・保有者管理機能、証券会社による商品組成・販売機能を組み合わせることで、発行体・投資家双方にとって、より効率的で透明性の高いクレジット市場の形成に向けた課題や可能性を検討するとしている。

発表によると、日本の社債市場は大企業による公募発行が中心となる一方、中堅・成長企業にとっては発行事務や投資家管理、利払い・償還などの実務負担が大きいという構造的な課題がある。

また米国などでは、日次や保有期間に応じた分配を前提とする金融商品や市場インフラが一定程度普及している一方、日本では株式に関する会社法上の配当制度や基準日制度、株主名簿管理に加え、販売会社や金融商品取引業者、保管振替機関など従来の金融インフラに関する実務も存在することから、保有期間に応じた日割りでの利息や分配を機動的に実現するには制度・実務の両面で制約が残るとしている。

こうした課題を踏まえ、メタプラネットはステーブルコインとSTを組み合わせた新たな金融インフラの検討が重要な論点になるとの考えを示した。同社は「Project NOVA」を通じ、ビットコインを単なる保有資産ではなく、信用補完、価値保存および担保的機能を提供し得る基盤資産と位置付けており、今回の共同検討もその取り組みの一環となる。

今回の共同検討では、各社がそれぞれ以下の役割を担う予定だ。

メタプラネットおよびメタプラネット証券は、ビットコインを中核とする財務戦略や投資家基盤、上場会社としての信用力、証券会社としてのクレジット商品に関する知見を生かし、商品設計・組成、審査、販売、投資家対応、期中管理などを担当する。

また、JPYCは、ステーブルコインの発行・償還機能を提供するとともに、メタプラネット証券との連携可能性を含めた社債などの発行に関する選択肢を検討する予定だ。

そしてプログマは、STの発行・管理、権利移転、保有者管理、譲渡制限、ステーブルコイン決済との接続など、規制に対応したデジタル証券インフラを提供する。

検討テーマとしては、ビットコインを裏付け資産、または信用補完の中核資産と位置付けるデジタルクレジット商品の設計可能性、STを活用した権利・保有者管理、JPYCなどのステーブルコインを利用したオンチェーン上での利払い・償還・分配、24時間365日の取引・決済や日割りでの利息・分配計算の実現に向けた実務・技術面の検証などが挙げられている。

4社は今後、法令・規制上の手続きや各社の機関決定、実務・技術面の検証、関係当局・関係者との協議を進めながら、具体的な論点整理や実証的な取り組みの要否、将来的な商品化や発行可能性について検討していくとしている。

なお現時点では、具体的な発行時期や条件、利回り、商品内容、販売方法、提携形態などは未定。今回の発表も特定の金融商品の募集・販売・勧誘や、発行条件の決定、発行を確約することを目的としたものではないとしている。今後、具体的な商品組成や発行・販売などを行う場合には、適切なタイミングで改めて公表するとしている。

参考:発表
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者