アンカレッジ・デジタル、Lido統合で機関投資家向けwstETH対応開始

機関投資家向けにLido統合

アンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)が、イーサリアム(Ethereum)のリキッドステーキングプロトコル「ライド(Lido)」との統合を7月2日に発表した。なお同社は、米国初の連邦認可暗号資産(仮想通貨)銀行「Anchorage Digital Bank N.A.」を擁する企業だ。

今回の統合により、アンカレッジ・デジタルの機関投資家顧客は、同社のプラットフォームを離れることなく、ライドのラップド・ステークドETH「wstETH」へアクセスできるようになる。これにより、機関投資家は普段利用しているカストディ環境を維持したまま、イーサリアムのステーキング報酬へアクセスできるようになる。

従来のイーサリアムステーキングでは、自らバリデーターとして参加する場合、最低32ETHのデポジットやバリデーター関連ソフトウェアの運用が必要となる。また、ステーキングしたETHは退出・引き出し処理が完了するまで自由に移転できないため、資産の流動性や運用面は引き続き課題となっていた。リキッドステーキングは、こうした課題を解決する仕組みだ。これにより、ステーキングした資産の流動性を維持したまま活用できるようになる。

アンカレッジ・デジタルによると、ライドでETHをステーキングすると、その証明としてラップド・ステークドETHトークン「wstETH」を受け取れるという。wstETHは、stETHをラップした非リベース型トークンで、保有残高は固定されたまま、stETHとの交換レートを通じてステーキング報酬が反映される。またwstETHは、譲渡や担保利用、分散型金融(DeFi)での活用が可能であり、資産の流動性を維持したままステーキング報酬を得られるとしている。

今回の統合により、機関投資家はアンカレッジ・デジタルのプラットフォームからライドの分散型アプリケーション(dApp)へ直接接続し、wstETHのミントおよびバーンを行えるようになる。アンカレッジ・デジタルは、これによりサードパーティサービスへ資産を移動することなく、カストディおよびガバナンス管理のもとでwstETHを保有・運用できるとしている。また、ステーキング、カストディ、ガバナンスを単一の連邦規制下の環境で提供すると説明している。

アンカレッジ・デジタルは、今回の統合により、大規模な機関投資家がこれまで課題としていた運用面やセキュリティ面のトレードオフを負うことなく、wstETHへアクセスできるようになると説明している。また、ライド・エコシステム財団(Lido Ecosystem Foundation)は、今回の統合により、wstETHが米国の主要な機関投資家向けプラットフォームへ組み込まれ、機関投資家によるイーサリアムステーキングへのアクセス拡大につながるとの見方を示している。

なおアンカレッジ・デジタルは、今回の統合を機関投資家向けオンチェーンインフラを拡充する取り組みの一環と位置付けている。同社は、ステーキング、リキッドステーキング、リステーキング、ガバナンス、決済など、オンチェーンの基盤となる機能を単一のプラットフォームで提供することを目指すとしている。

参考:アンカレッジ・デジタルライド
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。