オープンスタンダード、Visaやストライプら140社超参画のステーブルコイン「Open USD」提供へ

140社超が共同ガバナンス型ステーブルコインを発表

独立企業オープン・スタンダード(Open Standard)が、140社超の企業が利用に署名した共同ガバナンス型ステーブルコイン「オープンUSD(Open USD:OUSD)」の計画を6月30日に発表した。同社によると、オープンUSDは今年後半に提供開始予定だという。

オープンUSDは、グローバルな資金移動向けに設計されたステーブルコインだ。オープン・スタンダードによると、参加企業にはビザ(Visa)やストライプ(Stripe)、マスターカード(Mastercard)、ブラックロック(BlackRock)、コインベース(Coinbase)などが含まれる。

オープン・スタンダードは、オープンUSDを運営するために設立された独立企業だ。同社によると、取締役会はオープンUSDのパートナー企業で構成され、単一企業ではなく、パートナー全体の利益に基づいて運営されるという。

同社の創業CEOは、ストライプ(Stripe)傘下のステーブルコイン基盤企業ブリッジ(Bridge)の共同創業者兼CEOであるザック・エイブラムス(Zach Abrams)氏だ。ブリッジはステーブルコインの発行・管理や決済利用を支援するインフラ企業で、2024年にストライプによる買収が発表され、2025年2月に買収が完了している。

オープン・スタンダードは、既存のステーブルコインについて、大規模な発行・償還時の手数料負担や、準備金収益を利用企業が十分に享受できないこと、発行体のロードマップに依存することなどを課題として挙げている。

こうした課題に対し、オープン・スタンダードによると、オープンUSDでは企業が手数料無料で発行・償還を行える。既存のステーブルコインでは、大量の発行・償還を行う企業にとって手数料がコストとなる場合があるが、オープンUSDではその負担をなくすとしている。また、企業による発行・償還量にも人為的な上限は設けないという。同社は、大規模な決済や資金移動でも制限なく利用できる設計を目指すとしている。

またオープンUSDの裏付けとなる準備資産から得られる収益については、運営費として少額の管理手数料を差し引いたうえで、パートナー企業へ分配するとのこと。オープンUSDの利用が拡大すれば準備金も増加するため、パートナー企業が受け取る収益も増える仕組みとなっている。同社は普及状況に応じた収益と説明しているが、具体的な算定方法は明らかにしていない。

さらに同社は、オープンUSDを単一企業ではなく、パートナー企業で構成される取締役会による共同ガバナンスで運営すると説明している。これにより、特定企業の方針やロードマップに依存しない運営体制を目指すという。

また同社によると、参加企業はオープンUSDを自社のプロダクトやサービスにおける中核的な決済資産として利用するほか、導入やシステム統合に向けた技術支援を受けられるという。

エイブラムス氏は発表で、既存のステーブルコインには大きな強みがある一方、企業が大規模に利用するには、オープンで低コスト、高スループット、誰でも利用でき、参加企業の利益とも整合するステーブルコインが必要だと説明している。

なお今回の発表に先立ち、暗号資産(仮想通貨)メディア「コインデスク(CoinDesk)」は今年6月、ビザ(Visa)やマスターカード(Mastercard)、ストライプ(Stripe)などが新たなステーブルコイン基盤を近く発表する見通しだと報じていた。オープンスタンダードは今回の発表で同報道との関係については言及していないものの、参加企業の顔ぶれなど多くの点が一致している。

主な参加企業

オープン・スタンダードは、140社超の企業がOpen USDの利用に署名したと説明している。現時点で公表されている主な参加企業は以下の通り。 【決済・フィンテック】 ビザ(Visa)、ストライプ(Stripe)、マスターカード(Mastercard)、アメリカン・エキスプレス(American Express)、ディスカバー(Discover)、フィサーブ(Fiserv)、アディエン(Adyen)、PayPay、クラーナ(Klarna)、アファーム(Affirm)、ランプ(Ramp)、チェックアウトドットコム(Checkout.com)、ウエスタンユニオン(Western Union)、マネーグラム(MoneyGram)、レミトリー(Remitly)など 【銀行・金融機関】 ブラックロック(BlackRock)、BNY、スタンダードチャータード(Standard Chartered)、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、DBS銀行(DBS Bank)、USバンク(U.S. Bank)、BBVA、オーストラリア・コモンウェルス銀行(Commonwealth Bank of Australia)、ナショナル・オーストラリア銀行(National Australia Bank)など 【テクノロジー・EC】 グーグル(Google)、サムスン電子(Samsung Electronics)、IBM、ショッピファイ(Shopify)、楽天グループ、メルカドリブレ(Mercado Libre)、メルカドパゴ(Mercado Pago)、ドアダッシュ(DoorDash)、グラブ(Grab)、インフォシス(Infosys)など 【暗号資産・ブロックチェーン】 コインベース(Coinbase)、テンポ(Tempo)、バイビット(Bybit)、ソラナ(Solana)、ベース(Base)、OKX、リップル(Ripple)、クリプトドットコム(Crypto.com)、ファイアブロックス(Fireblocks)、ジェミナイ(Gemini)、メタマスク(MetaMask)、アーベ(Aave)、ギャラクシー(Galaxy)、ドゥナム(Dunamu)、レジャー(Ledger)、ムーンペイ(MoonPay)、アンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)、ポリゴン(Polygon)、アプトスラボ(Aptos Labs)、ステラ(Stellar)、ブリッジ(Bridge)など

 

参考:オープンスタンダード
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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