ストラテジーのmNAVが1倍割れ、企業価値が保有BTC価値下回る評価に

mNAVが1倍割れ

米ナスダック上場のビットコイントレジャリー企業ストラテジー(Strategy)の企業価値指標「mNAV」が1.0を下回った。ストラテジー公式サイトのダッシュボードで6月27日時点に確認できる。

ダッシュボードによると、同社のmNAVは0.99となった。また、普通株「MSTR」は直近価格が82.31ドル(約1.3万円)、日中安値が81.15ドル(約1.3万円)となっている。

ストラテジーは今年、永久優先株「STRC」などを活用した資金調達を本格化させ、その資金でビットコインの購入を続けてきた。これにより同社の資本構成は、普通株に加え、優先株や負債を組み込む形に拡大している。

同社が公開している「Notes」によると、現在ダッシュボードで公表しているmNAVは、時価総額ではなく企業価値(Enterprise Value)を基準に算出されている。企業価値には時価総額に加え、負債や優先株を含み、現金を差し引いた金額が用いられる。同指標が1を下回る場合、普通株の市場価値に負債や優先株などを反映した同社定義の企業価値が、保有するビットコイン(BTC)の価値を下回っていることを示す。

STRCは額面に相当する100ドルを基準として設計された永久優先株であり、市場価格が100ドル(約1.6万円)近辺で推移することを前提に配当率を調整できる仕組みが採用されている。同銘柄は5月下旬まで100ドル近辺で推移していたものの、その後下落基調が続き、記事執筆時点では74ドル(約1.2万円)台で取引されている。

STRCの下落については、これまで市場でレバレッジ取引の強制清算(リクイデーション)が主因との見方もあった。一方、オンチェーン分析企業クリプトクアント(CryptoQuant)は6月24日に公開した分析で、ストラテジーの財務ファンダメンタルズの変化が価格下落の主な要因との見方を示した。

クリプトクアントによると、ストラテジーの年間配当支払い義務は2026年初時点の約3億ドルから約12億ドル(約1,941億円)へ約4倍に増加した一方、米ドル準備は約38%減少した。また、「配当を現金で賄える期間(Dividend Coverage)」は7年以上から約14カ月まで低下したという。

なお、ストラテジーのフォン・レ(Phong Le)CEOは2025年11月、mNAVが1を下回り、かつ新たな資本調達手段が途絶えた場合には、保有するビットコインを売却する可能性があると説明していた。一方で同氏は、ビットコイン売却について「資金調達手段が完全に閉ざされた場合の最後の選択肢」と位置付けていた。

参考:ダッシュボードNotesトレーディングビュー
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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