暗号資産の金商法移管法案、衆議院で可決。参議院へ

暗号資産の金商法移管法案が衆議院で可決

暗号資産(仮想通貨)取引に係る規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移管する内容を含む「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が、6月11日の衆議院本会議で可決された。法案は衆議院先議で、同日に参議院が受領した。

同法案は今後、参議院での審議に移る。参議院では所管委員会での審査・採決を経て、本会議で採決される見通しだ。参議院でも可決されれば、同法案は成立する。

同法案は、暗号資産が決済手段だけでなく投資対象として取引される実態を踏まえ、暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金商法へ移管するものだ。金融庁の概要資料では、暗号資産を「有価証券とは別の金融商品」と位置付け、その性質を踏まえた規制を適用すると説明されている。

主な内容としては、暗号資産取引に係る業規制の整備、暗号資産に関する情報公表制度の導入、不公正取引規制の整備などが盛り込まれている。暗号資産を投資対象とする投資運用行為や投資助言行為についても、それぞれ投資運用業、投資助言・代理業の規制対象となる。

情報公表制度では、特定の者のみが発行権限を持つ暗号資産を「特定暗号資産」と定義し、発行者による募集・売出し時の情報公表などを義務付ける。一方、ビットコインのように特定の発行者が存在しない暗号資産は、金融庁資料では「上記以外の暗号資産」の例として整理されている。ただし、暗号資産取引業者が取り扱う場合には、当該業者に暗号資産情報の公表義務が課される。

不公正取引規制では、暗号資産に関するインサイダー取引規制を整備する。特定暗号資産発行者や暗号資産取引業者、大量売買を行う者の関係者などが、未公表の重要事実を知りながら公表前に売買などを行うことを禁止するほか、重要事実の伝達や取引推奨も禁止対象となる。

また税制面では、金商法等の改正を前提に、一定の暗号資産を対象とする20%の申告分離課税や、一定要件の下での損失の3年間の繰越控除が手当てされている。ただし、これらの適用開始は金商法改正法の施行時期に連動するため、実際の適用時期は今後確認が必要となる。

なお同法案は、6月10日に衆議院の財務金融委員会で可決されていた。

参考:参議院
画像:iStocks/Cemile-Bingol

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。