暗号資産規制の金商法移管を含む法案、衆院財務金融委で可決。国会審議が進む

暗号資産を「有価証券とは別の金融商品」に

政府が国会に提出した金融庁所管の「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が、6月10日に衆議院の財務金融委員会で可決された。

同法案は、暗号資産(仮想通貨)取引に係る規制を、資金決済に関する法律(資金決済法)から金融商品取引法(金商法)へ移管するものだ。同法案が成立すれば、暗号資産は有価証券とは別の金融商品として金商法上に位置付けられ、その性質を踏まえた規制が適用されることになる。

金融庁は今回の制度整備の背景として、暗号資産が現在は決済手段の観点から資金決済法で規制されている一方で、足元では投資対象化が進展していることを挙げている。国内では個人による暗号資産保有が身近になっており、国内口座開設数は1,400万を超えるという。また国際的にも、米国などで暗号資産ETFが上場され、機関投資家からの資金流入が増加していると説明している。

今回の法案では、暗号資産交換業者の名称を「暗号資産取引業者」へ変更したうえで、第一種金融商品取引業に相当する規制を適用する。暗号資産を投資対象とする投資運用行為や投資助言行為についても、それぞれ投資運用業、投資助言業の対象として規制する方針だ。

また情報公表規制も整備される。発行者がいる暗号資産である「特定暗号資産」については、発行者が募集・売出しを行う際に、あらかじめ暗号資産の情報を公表する必要がある。発行者による資金調達を伴わず、暗号資産取引業者が独自に取り扱う場合には、当該業者が情報を公表することになる。

不公正取引規制では、暗号資産に関するインサイダー取引規制が新設される。対象は、国内の暗号資産取引業者で取り扱われる暗号資産。暗号資産発行者や暗号資産取引業者、大量売買を行う者の関係者などが、未公表の重要事実を知りながらその公表前に売買などを行うことを禁止する。未公表の重要事実の伝達や取引推奨も禁止対象となる。

無登録業者への対応も強化される。無登録業に対する罰則は、現行の資金決済法上の拘禁刑3年から、金商法上の拘禁刑10年へ引き上げられる。また証券取引等監視委員会の犯則調査の対象に追加され、裁判所による緊急差止命令の対象にもなる。あわせて、証券取引等監視委員会の申立て権限も整備される。

さらに税制面では、令和8年度税制改正を盛り込んだ所得税法等の一部を改正する法律が3月31日に成立・公布されており、金融商品取引法等の改正を前提に、一定の暗号資産を対象とする20%の申告分離課税が手当てされている。同改正に係る税制改正大綱では、暗号資産取引業を行う者に対して「特定暗号資産」の譲渡等をした場合、譲渡所得等を他の所得と分離し、所得税15%、個人住民税5%の税率で課税するとしている。また一定の要件の下で、損失の3年間の繰越控除も認められる方針だ。

ただし、これらの税制改正は金商法改正法の施行を前提としており、実際の適用開始日は同改正法の施行時期に連動する。財務省の大綱では、20%申告分離課税は金商法改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後に行う特定暗号資産の譲渡等に適用するとされている。

参考:参議院金融庁
画像:PIXTA

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あたらしい経済 編集部

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