中国、ジャックドーシーのオフライン通信アプリ「bitchat」をApp Storeから削除

CACが違反認定

米決済企業のブロック(Block)社を率いるジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏が、分散型P2P(ピアツーピア)メッセージングアプリ「ビットチャット(bitchat)」が中国のアップル(Apple)のアプリストアから削除されたと、Xで4月5日に明らかにした。

ドーシー氏が公開したAppleからの通知によると、中国のインターネット規制当局である国家インターネット情報弁公室(CAC)の要請に基づき、同アプリは2026年2月28日付けで中国のApp Storeから削除されたという。

削除理由については、「中国において違法とされるコンテンツを含み、App Reviewガイドラインに準拠していないため」と説明されている。

またCACによれば、同アプリは「世論属性または社会動員能力を有するインターネット情報サービスの安全評価に関する規定」の第3条に違反しているとのこと。

なお同アプリは中国のApp Storeからは削除されたものの、他地域では引き続き利用可能である。また中国国内では、アップル提供のアプリテストシステム「テストフライト(TestFlight)」版も利用できなくなり、公開されていたテストフライトリンクも無効化された。

「ビットチャット」は、BLE(Bluetooth Low Energy)を用いたメッシュネットワークを構築し、スマートフォン同士が直接通信することで、インターネット接続がない環境でもメッセージの送受信を可能にするアプリとされている。

BLEは従来のBluetoothに比べて消費電力を抑えた通信規格であり、メッシュネットワークは複数のデバイスが相互に接続しながらデータを中継するネットワーク構造を指す。

同アプリではエンドツーエンド暗号化によりメッセージが保護されるとされている。

通信距離は環境に依存するものの、数十〜数百メートル程度とされ、メッセージは近隣のユーザー端末を経由して中継されることで、直接通信できない相手にも届けることが可能とされる。

また機能面では、メッセージを保存する「お気に入りシステム(Favorites System)」、特定ユーザーに通知する「@メンション」、トピックごとにチャット参加できる「ルーム(#Rooms)」、暗号化されたパスワードルーム(Password Rooms)などが用意されている。

またプライバシー設計として、中央集権的なサーバーやアカウント管理、データ収集を最小限に抑える構造が採用されているとされる。

現在「ビットチャット」は、App Storeにて正式版が配信されているほか、テストフライトを通じたベータ版の提供も行われていた。

画像:iStocks/SaidMammad

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者