Deloitte CanadaとStablecorpが戦略的協業
デロイトカナダ(Deloitte Canada)と、カナダのデジタル資産インフラ企業ステーブルコープ(Stablecorp)が、カナダドル建てステーブルコイン「QCAD」基盤の金融機関向けインフラ提供に向けた戦略的協業を3月23日に発表した。
今回の協業は、カナダ連邦政府がステーブルコイン制度の整備を進めるなかで公表された。なお同国では、関連法案「Bill C-15」の審議が進められている。Bill C-15には、法定通貨担保型ステーブルコインの発行ルールを定める「ステーブルコイン法(Stablecoin Act)」が盛り込まれている。
両社によると、デロイトカナダが持つ決済分野および金融サービス変革の知見と、ステーブルコープの規制対応済みデジタル資産基盤を組み合わせることで、24時間稼働する経済に対応した金融基盤の高度化を目指すという。両社は、ブロックチェーンの特性である処理速度、改ざん耐性、追跡可能性、効率性を生かし、堅牢性、法令順守、拡張性を備えた仕組みの構築を進める方針だ。
この取り組みにより銀行を含む金融機関は、デジタル資産を活用した新たな商品やサービスの開発を進めるとともに、既存の金融サービスをより迅速かつ低コストで効率的なものにできるという。
また両社は、金融機関と連携しながらQCADを既存のプラットフォームや業務環境に、安全かつ法令に準拠した形で組み込む予定とのこと。
具体的には、両社は現在の銀行業務において摩擦の大きいユースケースや業務フローを特定し、QCADによって即時に効果を見込める効率化領域に注力する方針だという。
重点領域としては、担保を世界規模で24時間即時に移動可能にすることによる流動性・資本効率の向上、金融機関間の決済コストと処理時間の削減を目指すインターバンク決済、QCADを用いた国際送金の効率化、オンチェーンの法人間決済、貿易金融、グローバル事業向け運転資金管理を含むトレジャリーソリューションが挙げられている。
QCADは、ステーブルコープが提供・運営に関わるカナダドルに連動した法定通貨担保型ステーブルコインだ。米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の投資部門コインベースベンチャーズ(Coinbase Ventures)は2025年5月、QCADのカナダ市場展開と関連インフラの強化を目的に、ステーブルコープへ出資した。調達総額は180万ドル(約2.8億円)で、コインベースベンチャーズの出資額は明らかにされていない。
参考:デロイト
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