Swift、ブロックチェーン基盤の共有型台帳導入へ、コンセンシスと連携で

Swiftがブロックチェーン基盤の共有型台帳導入へ

Swift(国際銀行間通信協会)が、ブロックチェーン基盤の共有型台帳をネットワークの技術インフラに追加予定であると9月29日に発表した。

Swiftは、世界30以上の金融機関と共同で共有型台帳の設計と構築を進めており、最初のユースケースは24時間365日対応のリアルタイム国際送金とのこと。

また、共有型台帳の初期段階における概念的プロトタイプは、Web3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」提供のコンセンシス(Consensys)が設計している。このプロジェクトの第1段階では、プロトタイプの完成と今後の開発段階が定義される予定だ。

またSwiftの共有型台帳は、取引の記録・順序付け・検証を行い、スマートコントラクトを通じてルールを自動的に適用する仕組みで構築されるという。さらに、この台帳は既存および新興ネットワークとの相互運用性を備え、Swiftと同義の信頼性・耐障害性・コンプライアンスの維持も重視されているとのこと。

なお共有型台帳の設計と構築には、みずほ(Mizuho)、MUFG、ANZ、バンクオブアメリカ(Bank of America)、BBVA、BNPパリバ(BNP Paribas)、BNYメロン(BNY Mellon)、シティ(Citi)、DBSバンク(DBS Bank)、HSBC、JPモルガンチェイス(JP Morgan Chase)、シンハンバンク(Shinhan Bank)、ソシエテ・ジェネラル・フォージ(Societe Generale-FORGE)、スタンダードチャータード(Standard Chartered)、ウェルズファーゴ(Wells Fargo)などが参画している。

さらに、Swiftは既存の法定通貨レールとDLT(分散型台帳技術)の相互運用性を確保するため、プライベートとパブリック両方のネットワークをサポートするクライアント向けソリューションの導入も発表した。これにより、さまざまなユースケースにおいて効率的で同期された取引が可能になるという。

ちなみにWeb3メディア「ザ・ビッグホエール(The Big Whale)」は9月27日、Swiftが銀行間メッセージングシステムをブロックチェーンへ移行するパイロットプロジェクトを、コンセンシス開発のイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ネットワークのリネア(Linea)上で実施予定であると報じていた。

このプロジェクトでは、安定した国際決済を視野にステーブルコインの導入も検討されていると報じられていた。

参考:Swift
画像:iStocks/Aleksei_Derin

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。