暗号資産取引所ビットパンダ、ロンドン証券取引所での上場断念=FT

上場先としてNYかフランクフルトを模索

欧州の大手暗号資産(仮想通貨)プラットフォームのビットパンダ(Bitpanda)が、ロンドン証券取引所(LSE)での上場を断念したと、フィナンシャル・タイムズ(FT)が8月26日に報じた。

上場を検討していたビットパンダは、株式の流動性不足を理由にロンドンでの上場を見送ったという。共同創業者エリック・デムート(Eric Demuth)氏は、英フィンテック企業ワイズ(Wise)の株主が7月に、より多くの投資家を呼び込み株式流動性を高めるために、主要上場地をロンドンからニューヨークへ移す決議を行った例を挙げ、「今や誰もがLSEから離れている」と指摘した。

またビットパンダは「流動性の面でLSEは現在パフォーマンスが良くない」とし、改善を望むものの、今後数年間は苦戦が続くだろうと予想。上場先としてフランクフルトかニューヨークを検討中であるが、時期も場所も未定だと述べている。

さらに、英国でのサービス開始が最近であり、収益の大半が欧州大陸で得られている点も、英国上場を回避する理由として挙げられている。

一方、米国では複数の暗号資産企業がニューヨーク市場での上場を進めている。

8月4日には、ブロックチェーンベースの貸金業者フィギュア・テクノロジー・ソリューションズ(Figure Technology Solutions:FTS)が、米証券取引委員会(SEC)に対し、IPO(新規株式公開)の申請書類を非公開で提出。暗号資産取引所ジェミナイ(Gemini)やカストディ企業のビットゴー(BitGo)も、米国での上場を申請している。米国拠点の暗号資産取引所ブリッシュ(Bullish)も今月ニューヨーク証券取引所に上場した。

参考:報道
画像:iStocks/ Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者