ソラナのWeb3スマホ「Solana Seeker」、世界50カ国以上で出荷開始

Solana Seeker出荷開始

ソラナ(Solana)基盤のWeb3スマートフォン「ソラナシーカー(Solana Seeker)」が、世界50カ国以上に出荷開始された。同デバイス開発元のソラナモバイル(Solana Mobile)が8月4日に発表した。発表によると購入者の手元に届くのは数週間かかるようだ。なおソラナシーカーは記事執筆時点で500ドル(約7万3,490円)で販売されている。

ソラナシーカーは、ソラナモバイルが2024年1月に予約受付を開始したWeb3スマートフォン「チャプター2(Chapter2)」のリブランディングモデル。これまでにチャプター2は15万台以上が注文されている。

ソラナシーカーには、Android OSとは分離されたハードウェアベースの秘密鍵保管領域シードヴォールト(Seed Vault)、譲渡不可のシーカージェネシストークン(Seeker Genesis Token)、セルフカストディ(自己管理型)ウォレットのシードヴォールトウォレット(Seed Vault Wallet)、個人識別用のシーカーID(Seeker ID)、分散型アプリストアのソラナdAppストア(Solana dApp Store)が搭載されているとのこと。

さらにソラナモバイルは5月21日、同デバイスに分散型インフラアーキテクチャのTEEPIN(Trusted Execution Environment Platform Infrastructure Network)および、独自トークン「SKR」の導入計画を発表した。

TEEPINは、ソラナモバイルがWeb3モバイルエコシステムを分散化する上で中心的な役割を担うプラットフォームとのこと。このアーキテクチャは、他のハードウェアメーカーへの拡張も視野に入れて開発されているという。

またTEEPINはユーザー・アプリ開発者・デバイスメーカーが、セキュアかつ信頼不要なモバイル環境で相互接続を可能にする三層構造の技術アーキテクチャで構成されているとのこと。この三層構造は、ハードウェア層・プラットフォーム層・ネットワーク層からなるとのことだ。

ハードウェア層では、現代のスマートフォンにすでに搭載されているTEE(Trusted Execution Environment)を活用し、ソフトウェアおよびハードウェアの整合性を暗号技術により証明するという。

TEEとは、ICカードのセキュリティ等の標準技術の策定を行う非営利組織グローバルプラットフォーム(GlobalPlatform)が定める技術仕様のひとつ。プロセッサーを通常の実行環境と安全な実行環境に分割することにより、アプリケーションの安全な実行環境を物理的に確保するセキュリティ技術である。

またプラットフォーム層では、オンチェーンで認証されたユーザーとアプリが接続し、従来のモバイルアプリストアのような中央集権的な仲介者や高額な手数料を排除したうえで、グローバルなアプリ配信を可能にするとのこと。

そしてネットワーク層では、ガーディアンネットワーク(Guardian Network)と呼ばれるコミュニティリーダーや団体によって構成される分散型ネットワークが、デバイスおよびアプリケーションの運用・管理を担うとされている。

また導入予定のSKRトークンは、ソラナモバイルエコシステム内の経済活動、報酬設計、プラットフォームのガバナンス構造を支える要素になるとのこと。また同トークンは、ユーザー・開発者・ハードウェアメーカー間のインセンティブを調整する役割を担うという。

SKRの導入により、モバイル端末の利用者が単なる消費者ではなく、プラットフォームの一部として主体的に参加可能にするという。これによりソラナモバイルは、エコシステム全体の分散化と共同所有モデルへの移行を目指すとのことだ。

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。