CashlinkのDLT基盤を活用
ドイツの州立開発銀行である「NRW BANK(北ライン=ヴェストファーレン州立開発銀行)」が、ポリゴン(Polygon)ブロックチェーン上で2年満期・総額1億ユーロ(約172億円)のデジタル債券を発行した。同行が5月付で公開した報告書に記載されている。
なお、「NRW BANK」が電子証券法(eWpG)に基づき、暗号資産(仮想通貨)として完全デジタル化された債券を発行するのは今回が初となる。
このデジタル債券は、BaFin(ドイツ連邦金融監督庁)に登録された暗号資産登録機関キャッシュリンク・テクノロジーズ(Cashlink Technologies)のインフラを用いて発行された。
主幹事はドイツ銀行(Deutsche Bank)、DZ BANK、DekaBankの3行が共同で務め、機関投資家からの関心を集めたという。
キャッシュリンク・テクノロジーズのCEOであるマイケル・ダットリンガー(Michael Duttlinger)氏は今回の発行について「ブロックチェーンベースの資本市場インフラに対する信頼が高まっている」とコメント。また、一部の金融機関が単発のパイロット案件を超え、ブロックチェーン技術の本格的な導入フェーズに移行しつつあることを強調した。
なおデジタル債券は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術(DLT)を活用して発行・管理される証券の一種。中間業者の削減によるコスト最適化、リアルタイム決済、多通貨対応、そして少額取引の柔軟性などが主な利点とされている。
参考:報告書
画像:iStock/liulolo