トランプ大統領の名を冠したウォレットが事前登録を開始、息子らは関与を否定

マジックエデンとTrumpMemesが共同開発

ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の名前を冠した暗号資産(仮想通貨)ウォレットが、ウェイティングリストの受付を開始している。

公式サイトによれば、このウォレットは、NFTマーケットプレイスのマジックエデン(Magic Eden)と、トランプ氏の公式ミームコイン「TRUMP」を展開する「トランプミームズ(TrumpMemes)」の提携により開発された、「初めてかつ唯一のトランプ大統領公式ウォレット」だと謳われている。

マジックエデンはXにて6月4日、無料のウェイティングリストに登録した参加者に対し、「TRUMPリワード」として総額100万ドル相当の報酬を獲得できるチャンスを提供すると発表した。

また、「TrumpMemes」もXにて、「世界中の数十億人のトランプファンとともに、TRUMPの使命は常に、支持者が超簡単にクリプトに参加し、コミュニティに加われるようにすることだ」と述べ、今回の公式ウォレットを強く宣伝している。

一方で、この発表に対してトランプ大統領の息子であるドナルド・トランプ・ジュニア(Donald John Trump Jr.)氏とエリック・トランプ(Eric Frederick Trump)氏は、速やかに自らの関与を否定した。

ジュニア氏は「(トランプ大統領の個人企業グループ)トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)はこのウォレットに一切関与していない」とコメント。自身とエリック氏はトランプ公式ウォレットについて「何も知らない」と述べたうえで、両氏が携わる暗号資産プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial:WLFI)」が、独自の公式ウォレットを近日中に発表する予定であることも明かした。

今回のウォレットにトランプ大統領自身がどの程度関与しているかは、現時点では不透明であり、詳細は明らかにされていない。

なおトランプ大統領およびその一族による暗号資産関連の活動に対しては、利益相反や倫理的懸念を指摘する声もある。

今年5月、TRUMPトークンの上位保有者との夕食会が開催された際には、会場周辺に100人を超える抗議者が集まり、「アメリカは売り物ではない」「暗号資産の腐敗を止めろ」といったプラカードを掲げて、イベントに抗議する様子が見られた。

さらに、米上下両院の民主党幹部は5月22日の記者会見にて、トランプ大統領の暗号資産取引に対する懸念を改めて表明し、こうした行為を規制する法案の提出を目指す方針を示した。

参考:TRUMP WALLET
画像:Reuters

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者