暗号資産カストディXalts、シティやポリゴン創業者らから約8.7億円調達

暗号資産カストディXalts、シティやポリゴン創業者らから約8.7億円調達

暗号資産カストディ企業ザルツ(Xalts)がシティ・ベンチャーズ(Citi Ventures)やアクセル(Accel)らから600万ドル(約8.7億円)の資金調達の実施を10月6日に発表した。

ザルツは2022年初めに、HSBCトレーダーとして勤めていたアシュトシュ・ゲール(Ashutosh Goel)氏とMeta Asiaの元幹部であったスプリット・カウル(Supreet Kaur)が設立した企業だ。ザルツを設立した目的は、暗号資産(仮想通貨)エコシステムへのリアルマネーの機関投資家の参加を促すことに注力するためだという。

ザルツへ出資したのは、ポリゴン共同創業者のサンディープ・ネイルワル(Sandeep Nailwa)氏やその他のヘッジファンドマネージャー、暗号資産領域の著名人らだという。

ザルツの創業者で最高投資責任者であるアシュトシュ・ゲール(Ashutosh Goel)氏は「この夏、いくつかの大規模な暗号資産関連企業で起こってしまったことは、従来の金融業界で当然のことと考えられている基本的なコントロール、チェックとバランスの欠如でした。ザルツでは、機関投資家が重視する高いコンプライアンスと管理基準に焦点を当てた、革新的で機関投資家向けの投資商品とソリューションを構築しています」と説明し、さらに「暗号資産の次の成長は、この資産クラスへの機関投資家の参加によってもたらされるでしょう。銀行や資産運用会社から多くの新しいイニシアチブが生まれ、その初期兆候が見え始めています」と伝えている。

またザルツ最高執行責任者のスプリット・カウル(Supreet Kaur)氏は「機関投資家の間では、暗号資産クラスへの参加に多くの需要があります。しかし、私たちが話を聞いている多くの機関投資家は、このエコシステムに直接アクセスすることができません。当社のプロダクトとソリューションは、機関投資家が期待する高い安全性とコンプライアンスを損なうことなく、このギャップを埋めることができます」と伝え、また「投資家だけでなく、ファンドマネージャーや発行体からも、当社のプラットフォームを利用して、顧客のために仕組み商品やファンド商品を発売することに多くの関心を寄せていただいています。香港、シンガポール、ドバイ、ジュネーブの各オフィスで、今年末までに30人のチームを作る予定です」と説明した。

今後、ザルツは世界の複数取引所に上場している投資信託やETFなど、暗号資産に連動する複数のファンド商品を発売する予定だという。また同社はその技術プラットフォームを活用して、複数の資産運用会社やステーキング・インフラストラクチャ・プロバイダーと提携し、ミューチュアルファンドやETFを共同で立ち上げ、運用することを目指しているとのことだ。

さらにまた同社はエコシステムの他のプレーヤーと共同で、金融機関が暗号資産のオプションを組み込んだ仕組債を発行できるようにする金融商品など、いくつかのプロダクトを開発しているとのことだ。

参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/blackdovfx・ChrisGorgio

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【4/26話題】コンセンシスがETH規制でSECを提訴、米国政府マネーファンドがP2Pで転送可能になど

米コンセンシス、イーサリアム(ETH)規制めぐり米SECを提訴、フランクリン・テンプルトン、「米国政府マネーファンド」をP2Pで転送可能に、オーケーコインジャパンにオプティミズム(OP)上場へ、国内3例目、米決済ストライプ、「USDC支払い」今夏から導入へ、Fireblocks、機関向けのDeFiセキュリティ機能を拡張、アーサーヘイズ、ビットコインの強気相場続くと予想、コスモス「IBC」でトークン無限発行のバグ修正、アシメトリックリサーチ報告、ビットコインの改善提案「BIP420」公開、スマコン追加やゼロ知識証明など実装に向け、エルサルバドル、公式デジタルウォレット「Chivo」のソースコード流出、米SEC、テラフォームラボと創業者に約53億ドルの支払い命じる