タイ中銀、リテールCBDC実証実験を年内開始へ

タイ中銀、リテールCBDC実証実験を年内開始へ

タイ中央銀行(BOT)が、年内にリテール向けの中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を開始する予定であることを8月5日に発表した。

なおCBDCについてはホールセール型CBDCとリテール型CBDCの2種類に分けられて説明されることが多いが、ホールセール型は中央銀行と民間銀行など金融機関が利用、一方でリテール型は個人や企業が利用するものと考えられている。

この実証実験でタイ中央銀行は、CBDCがもたらす利益と関連するリスク評価を実施する予定だという。将来的に同行が関連政策の策定しCBDCの設計を改善するために実証は行われるとのこと。

なお具体的に今回の実証実験では「技術的な設計を含むシステムの効率性と安全性の評価」と「CBDCの革新的なユースケースの開発と幅広い顧客向けの新しい金融サービスを提供するための開発可能性」に焦点をあてるとのことだ。

まず「技術的な設計を含むシステムの効率性と安全性」を評価するために、アユタヤ銀行(Bank of Ayudhya Public Company Limited)、サイアム商業銀行(Siam Commercial Bank Public Company Limited)、2C2P (Thailand)Company Limitedは、タイ中央銀行が選定した約1万人の国民に対して、限られた地域や規模で、商品やサービスの支払いなどにCBDCを利用する予定だ。そして、この実証実験は2022年末に開始され、2023年半ばまで継続されるとのことだ。

またこの実証実験の一環として、タイ中央銀行は「CBDC ハッカソン」を開催するという。民間企業や一般市民がリテール向けCBDCのビジネス・ユースケースを企画するハッカソンとなる予定で、応募期間は8月5日から9月12日となっている。

なおタイ中央銀行は、現段階においてリテールCBDCを発行する計画はないことをリリースで強調している。またリテールCBDCに関連する投資やサービスの提供を主張する詐欺師に注意するようリリースで警告もされている。

参考:タイ中央銀行
デザイン:一本寿和
images:iStocks/intriceight・Ninja-Studio

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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