スリーアローズ債務不履行、ボイジャーデジタル発表

スリーアローズ債務不履行、ボイジャーデジタル発表

暗号資産ブローカーのボイジャーデジタル(Voyager Digital Ltd)が、財務危機となっている暗号資産ヘッジファンドのスリーアローズキャピタル(Three Arrows Capital:3AC) に対して、債務不履行(デフォルト)通知を発行したことが6月27日に分かった。

ボイジャーデジタルが融資した1万5,250BTC(約429億円)と3億5,000万USDC(約474億円)対して、3ACが必要な支払いを行わなかったためだ。

ボイジャーデジタルは3ACからの融資回収を追求する意向で、利用可能な法的救済措置についてアドバイザーと協議中だという。

なおボイジャーデジタルの財務や事業運営状況について、プラットフォームは引き続き運営され、顧客の注文や引き出しを履行しているとのことだ。そして6月24日時点で、ボイジャーデジタルは手元に約1億3,700万ドル(約185億円)の現金と暗号資産(金額非公表)を保有しているという。

また同社は、アラメダベンチャーズ(Alameda Ventures)からの2億ドル(約270億円)の現金およびUSDC融資枠と15,000BTC(約422億円)の融資枠を利用できることになっており、そこから7,500万ドル(約101億円)引き出したとのことだ。ちなみにボイジャーのリリースでは「3ACの債務不履行が、アラメダベンチャーズとの契約に債務不履行を生じさせるものではありません」と説明されている。

ボイジャーの最高経営責任者であるスティーブン・アーリック(Stephen Ehrlich)氏は「当社は顧客の流動性需要に応え続けられるよう、バランスシートの強化と選択肢の追求に真摯かつ迅速に取り組んでいます」と説明している。

なお、ボイジャーはこの財務・契約プロセスを推進していくにあたり、投資銀行Moelis&Co.を財務アドバイザーとして起用したとのことだ。


参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/4×6・blackdovfx

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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