Aaveが機関投資家向けサービス提供へ、初のホワイトリスト機関にFireblocks

Aaveが機関投資家向けサービス提供へ

DeFiレンディングプラットフォームAaveが機関投資家向けのサービス「Aave Arc」をローンチしたことが1月6日に分かった。「Aave Arc」はコンプランスに準拠した形でサービス提供が行われる。つまり「Aave Arc」を利用するすべての者はKYCが義務付けられる。

また「Aave Arc」の初のホワイトリスト機関としてファイヤーブロックス(Fireblocks)が登録されたことが明らかになった。ファイヤーブロックスがAaveのホワイトリストに登録されたことで、そのユーザーはファイヤーブロックスのセキュリティシステムの通して、Aaveを利用できるようになる。

ちなみにファイヤーブロックスはFATFガイドラインに基づき、KYC(Know Your Customer)、CDD(Customer Due Diligence)、EDD(Enhanced Due Diligence)に関する新たなフレームワークを開発したとのことだ。

そして発表ではファイヤーブロックスがAave Arcへの参加を承認した金融機関の名称を明らにした。それは全部で30社ほどで、Anubi Capital、Bluefire Capital、Canvas Digital、Celsius、CoinShares、GSR、Hidden Road、Ribbit Capital、Wintermuteなどが明らかになった。

また発表ではDeFi領域の現状として「現在約2559億ドルがDeFiにロックされていますが、エンタープライズグレードのリスク管理およびKYC/AML要件に対応していないため、金融機関はほとんどDeFi市場を利用できない状態です」と説明されている。

「Aave Arc」のように機関投資家のDeFiへのアクセスを今後可能にしていけば、半年で1兆ドル規模の投資機会を提供することができると発表で予測されている。

Aaveの創業者兼CEOであるスタニ・クレチョフ(Stani Kulechov)氏は次のようにコメントしている。

「DeFiは、透明性、流動性、プログラマビリティを含む金融イノベーションの強力な波を象徴していますが、従来の金融機関では長い間アクセスすることができませんでした。Aave Arcの登場により、これらの金融機関は初めてDeFiに準拠した方法で参加できるようになりました」

「Aave Arc」は昨年7月に「Aave Pro」からリブランディングされ、その構想が明らかになっていた。今後「Aave Arc」は機関投資家とDeFiのゲートウェイとなり、新たな金融市場創出に重要な役割を果たしていくのではないだろうか。

参考:Fireblocks
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Imagesines

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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