【解説】明日予定のイーサリアム大型アップグレード「ロンドン」で何が変わる?

イーサリアム大型アップグレード「ロンドン」で何が変わる?

イーサリアム(Ethereum)の大型アップグレード(ハードフォーク)「ロンドン」が、日本時間で明日8月5日20:30頃実施される予定だ。

「ロンドン」はブロック高12,965,000に到達した時点においてメインネットにて実施される。なお「ロンドン」は昨年12月にローンチされたイーサリアム2.0とは異なり、イーサリアム1.0を対象にしたアップグレードとなる。

今回のアップグレードでは、5つの「イーサリアム改善提案(Ethereum Improvement Proposal:EIP)」が含まれるが「ロンドン」で最も注目されているのは、手数料モデル変更となる「EIP-1559」だ。

「EIP-1559」で変わること

「EIP-1559」はイーサリアムのネットワーク手数料(ガス代)が現状オークション形式(ファーストプライスオークション)で支払われていることへの改善案で、需給オークション形式のシステムをネットワーク全体で標準的な料金に置き換える形式へと変化させるものだ。この標準的な料金は「base fee(ベースフィー)」と呼ばれ、ネットワークの混雑時には上昇し、閑散時には下降する仕組みとなる。

現状のシステムと「EIP-1559」が実装された後の大きな違いは、手数料がマイナーではなくネットワークによって決定されることだ。「EIP-1559」が実装されると、取引手数料はマイナーに支払われず、バーン(焼却)されることになる。つまりイーサリアムの流通量は減り、1ETHあたりの価格が高まるようになる見込みだ。

またこのことは価値の保管手段としてETHが無制限に供給される一つの課題への対応策となるとも言われている(ビットコインは供給数量が決められている)。

しかし一方では、マイナーが得られるトランザクションフィーが減少することで反対の声もあがっている。ファーストプライスオークションであった手数料モデルが「base fee」と「priority fee(プライオリティフィー)」の2つの手数料モデルとして導入されることにより、従来全てマイナーに報酬として支払われていた手数料が「priority fee」のみとなる点である。

「EIP-3529」で変わること

また一部では「EIP-3529」も注目されている。手数料の払い戻しを一部削減するこの改善案では、スマートコントラクトを展開するときに開発者が低価格を確保するために使用するガストークンであるGST2やCHIなどが廃止される。

GST2(GasToken Two)は暗号資産(仮想通貨)取引所Bilaxyでは4月上旬に600ドルの価値をつけていたが、今回の「ロンドン」によって価値が無くなるとされている。

実施予定の5つのEIP

なお「ロンドン」では次のEIPが実施される予定である。

「EIP-1559」手数料モデルの変更

「EIP-3198」基本手数料のオペコード追加

「EIP-3529」手数料の払い戻し一部削減

「EIP-3541」0xEFで始まるコントラクトの拒否

「EIP-3554」ディフィカルティボムを2021年12月1日まで延期

アップグレードの正確な日時の確認方法

アップグレードの正確な日時は、ブロック生成の状況により変動するため、正確にはイーサスキャンの以下ページより確認できる。

→イーサスキャン/Etherscan

※「ロンドン」は予定通りブロック高12,965,000に到達し、実行されました。詳細は次のニュースをご覧ください。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/SiberianArt

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。