Fabric VenturesのWeb3.0特化ファンド、欧州投資基金らから約120億円調達

Fabric VenturesのWeb3.0特化ファンド、欧州投資基金やらから約120億円調達

ルクセンブルにあるファブリック・ベンチャーズ(Fabric Ventures)が、新たなWeb3.0領域特化のファンドで約120億円を調達したことを7月29日に発表した。

ファブリック・ベンチャーズは約140億円規模の「Fund 2021」を組成する予定で、そのうち約120億円が集まったこととなる。

「Fund 2021」に出資したのは、European Investment Fund(欧州投資基金)、Atomico、Galaxy Digital、DCG、そしてEthereum、Wise、MYSQLの創業者らである。また出資先の成功を加速させるために、オープンウェブコミュニティから42名のパートナー、エグゼクティブ、コントリビューター、創業者も「Fund 2021」へ出資した。

ファブリック・ベンチャーズはこれまでにAxie Infinity、Polkadot、Coinbase、OpenZeppelin、Messari、Sorare、The Graphなどに投資を行なってきた。

なおファブリック・ベンチャーズはWeb3.0などオープンエコノミーにこだわる理由について、次にようにブログで説明している。

遍在する今日のデジタルプラットフォームは、収益性を追求するためにデータとパワーを集中的に捕捉するよう最適化された、閉鎖経済です。このようなプラットフォームは、時間の経過とともに、ユーザーのための革新や、ユーザーの福利厚生やプライバシーの保護ができなくなります。

これに対して、デジタルアセットやブロックチェーンなどのオープンウェブの新技術は、ユーザー、アイデンティティ、データ、価値の自由な流れをサポートし、コラボレーションを促し、より良心的な結果をもたらすオープンエコノミーを促進し、すべての参加者にとってより大きな総合的な経済的利益をもたらし、最終的にはより公平で安定した持続可能な社会を実現します。Fabric Venturesは、これを資本主義そのもののアップグレードと考えています。

またFarbic Venturesへの投資に際して、Polkadotの創業者でEthereumの元CTOであるギャビン・ウッド(Gav Wood)は次のようにコメントしている。

Fabric Venturesは、2014年1月に私が主導した初期のイーサリアムのミートアップをサポートし、2016年にParityをスピンアウトさせる際には私のチームをフォローしてくれました。そのため、2017年にPolkadotを立ち上げた際に、彼らを投資家として迎え入れることができてとても嬉しかったです。彼らはWeb3 Foundationのエコシステムを終始、継続的にサポートしてくれています。

またEIF(欧州投資基金)の最高責任者であるアラン・ゴダール(Alain Godard)氏は次のようにコメントしている。

Fabric Venturesと提携して、ブロックチェーン技術に特化したファンドを欧州市場に投入できることを大変うれしく思います。欧州のブロックチェーン分野のディープテック起業家は、その豊富なエンジニアリングの才能にもかかわらず、資金面でのサポートや、彼らの分野を深く理解している投資家を見つけるのに苦労することがよくあります。

今回の提携はこのようなニーズに応え、EUと世界での競争力にとって特に戦略的に重要な分野であるブロックチェーン技術の分野で活躍する起業家に、資金調達の機会を提供することを目的としています。

参考:ファブリック・ベンチャーズ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/koyu・BadBrother

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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