仏フィンテック企業リキッドシェア、ポストトレードサービスに「Daml」採用

仏フィンテック企業リキッドシェア、ポストトレードサービスに「Daml」採用

フランスのフィンテックスタートアップであるリキッドシェア(LiquidShare)が、ブロックチェーンベースのポストトレードサービスに、スマートコントラクト言語ダムル(Daml)を採用することを6月29日に発表した。

リキッドシェアは2017年に創業したフランスの企業で、金融市場における取引約定後から資産の受け渡しまでの業務全般(ポストトレード)をブロックチェーンを使って処理するサービスを提供している。また同社はソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)、BNPパリバ(BNP Paribas)、ユーロネクスト(Euronext)などのフランス大手金融機関から支援を受けている。

ダムルは複雑なビジネスプロセスをコード上で表現するために開発されたスマートコントラクト言語であり、ダムルを利用することで異なるブロックチェーンで相互運用可能なアプリケーションを実装することができる。

リキッドシェアが提供するポストトレードサービスにはオープンソースのブロックチェーンであるハイパーレジャー・ベス(Hyperledger Besu)が利用されており、そこにダムルを導入することにより、金融市場におけるバックオフィス業務の安全性と取引後の業務の信頼性の向上を目指すとのことだ。

なおダムルの導入に際しては、ブロックチェーン・テクノロジー・パートナーズ(BTP)が提供するブロックチェーンとスマートコントラクトの管理・運用プラットフォームである「Sextant for Daml」を利用するとのことだ。

リキッドシェアのCEOであるジーンマーク・イソトチー(Jean-Marc Eyssautier)氏は「スマートコントラクトの言語としてダムルを選んだのは、ビジネスロジックを組み込む可能性が高く、マルチパーティのビジネスプロセスを簡単かつ迅速に構築できるからです」と述べている。

参考:BTP
デザイン:一本寿和
images:iStocks/monsitj・dalebor・LeshkaSmok

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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