ドイツ取引所グループ、デジタル資産関連企業の過半数株式を取得

ドイツ取引所グループ、デジタル資産関連企業の過半数株式を取得

ドイツ取引所グループ(Deutsche Börse Group)が、スイスのデジタル資産関連企業であるクリプト・ファイナンス(Crypto Finance AG)過半数株式を取得したことを6月29日に発表した。

2017年設立のクリプト・ファイナンスはスイス金融市場調査局(FINMA)の統合監督下にある独立した金融グループで、機関投資家や専門家の顧客にデジタル資産の取引、保管、投資を提供している。またクリプト・ファイナンスはオルタナティブ投資ファンドも組成している。

今回のドイツ取引所グループによる株式取得により、今後クリプト・ファイナンスはドイツ取引所グループの一員として、事業をさらに拡大し、デジタル資産サービスの範囲を拡大していく予定だ。またドイツ取引所は顧客がクリプト・ファイナンスが提供するサービスに自社のプラットフォームを通じて容易にアクセスできるようにする予定とのこと。その目的は欧州の規制下で中立的で透明性が高く、拡張性の高いデジタル資産のエコシステムを確立することにあるようだ。 

ドイツ取引所グループのトレーディング&クリアリング担当執行役員であるトーマス・ブック(Thomas Book)氏は「デジタル資産は、金融業界に変革をもたらします。この新しいアセットクラスに積極的に取り組もうとしている既存の金融機関からは、信頼できるパートナーを求める声が高まっています。私たちは、クリプト・ファイナンスがグループに加わることを大変うれしく思います。

このチームは戦略的に理想的であり、ヨーロッパの機関投資家のために、信頼できる完全に規制されたデジタル資産のエコシステムを構築する上で、非常に役立つでしょう。そしてクリプト・ファイナンスは、DLTをベースにした革新的なシリアルマーケットプレイス構築用プラットフォームである360XやETN(上場投資証券)など、私たちが最近提供しているサービスを完全に補完するものです」とコメントしている。

クリプト・ファイナンスのCEO兼創設者であるヤン・ブルゼック(Jan Brzezek)氏は「当初から、私たちの目標は既存の金融と新しい金融の架け橋となることでした。だからこそ既存の金融市場のインフラにおいて信頼と評判、そして専門知識を提供してくれるドイツ取引所のような中立的なパートナーと手を組めることに興奮しています。

また暗号資産やその基盤となる技術に関する当社の実績ある専門知識と組み合わせることで、私たちの目標をより早く達成することができます。私たちが協力することで、ヨーロッパの何千もの金融機関やプロの投資家が慣れ親しんだ方法で、この新しい資産クラスに即座に参入できるようになります」とコメントしている。

参考:ドイツ取引所グループ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/solarseven・Pict-Rider

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【5/2話題】ビットコインが下落、米検察がブロック捜査、レイヤーゼロがスナショなど

ビットコインが6%近く下落、FOMC控え 最高値から22%安、米連邦検察、米決済ブロックの社内業務を調査=報道、レイヤーゼロがスナップショット実施、エアドロ間近か、テザー社、Q1が過去最高益45億ドル超に、純資産額も初公表、米セキュリタイズがブラックロックらから4700万ドル調達。サークル、アプトスラボ、パクソスも参加、HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で、「スイ(SUI)」のミステンラボ、グーグルクラウドと提携、親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難、ストライプで「AVAX」の購入が可能に、アバランチとコアウォレットに統合で、ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に、イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応、クリプトヴィレッジのLocal DAO、旧山古志に続き「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を選定。「Nishikigoi NFT」保有者の投票で決定へ