マイクロストラテジー、BTC追加購入を目的に10億ドルの株式発行へ

マイクロストラテジーが10億ドルの株式発行へ

米ナスダック上場企業であり、企業としてビットコインの購入を積極的に進めているマイクロストラテジー(MicroStrategy)が、新たに最大10億ドル(約1,100億円)相当の株式公募を開始したことを6月14日発表した。

マイクロストラテジーは米証券取引委員会(SEC)に有価証券登録の目論見書「FORM S-3」を14日付けで提出をしたとのこと。目論見書には「1回または複数回の募集による不確定額のA種普通株式の募集、発行および販売を対象とする」「最大で10億ドルを上限とする当社のA種普通株式の募集・発行・販売が含まれている」と記載がある。

また目論見書には同株式がビットコインの大きな価格変動によって大きな影響を受ける可能性があるとした記載がある。

さらにマイクロストラテジーは同日14日に以前に行った「2028年満期の有担保シニア債券」の私募が完了したことを発表。この私募にて調達した資金から手数料などを差し引いた約4億8,800万ドルはビットコインの追加個入に充てられる予定である。

編集部のコメント

今回提出された目論見書には、マイクロストラテジーの事業運営においての企業戦略2つが記載されており、ひとつがビットコインの取得と保有、もうひとつが企業向けのアナリティクスソフトウェア事業の成長であるとしています。

目論見書には今回の株式公募について「当社は2021年第1四半期に企業戦略の一環として、必要な運転資金を上回る当社の流動資産を用いてビットコインを取得することと、市場の状況に応じて随時、ビットコインの購入に充てることを目的とした資本調達取引で負債証券または持分証券を発行する戦略をとることを決定した」と記載があります。またこの企業戦略の元にビットコインに関する市場啓蒙活動も定期的に行うとしています。

さらにマイクロストラテジーのビットコイン獲得戦略については「当社の企業分析ソフトウェア・サービス事業を補完するものであると考えている」とし、「当社のビットコインおよびビットコイン・ネットワークを支援する関連活動は、当社ブランドの認知度を高め、当社が提供する分析サービスの新規顧客を確保する機会を提供できると考えている。またブロックチェーン・アナリティクスなどのビットコイン関連技術を当社のソフトウェア製品に適用する機会も模索している」との記載もあります。

なおマイクロストラテジーが今までに取得したビットコインは約92,079BTCとのことで、保有は新たに設立された子会社MacroStrategy LLCが行っているとのことです。

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参考:マイクロストラテジー
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Abscent84

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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