ユニスワップラボ、手数料変換システム「TJAR」を外部アプリ向けに公開

ユニスワップラボがオンチェーン手数料変換システム「TJAR」を公開

分散型取引所(DEX)ユニスワップ(Uniswap)の開発を主導するユニスワップ・ラボ(Uniswap Labs)が、オンチェーン手数料変換システム「TJAR」を外部のアプリや開発チーム向けに公開したと10月29日に発表した。TJARは、アプリが複数のトークンで徴収した手数料を、指定した1種類のトークンに変換する仕組みだ。すでに7つのブロックチェーンで稼働しており、金融サービス企業ロビンフッド(Robinhood)が利用している。

トークン交換などの取引を提供するアプリは、利用者が取引するさまざまなトークンで手数料を受け取る場合がある。そのため、複数のブロックチェーンにまたがって多種類のトークンが蓄積されることがある。こうした資産を特定のトークンに変換するには、従来、多くの場合、独自のインフラを構築する必要があった。

TJARは、手数料を蓄積する「トークン・ジャー(Token Jar)」と、資産の変換を実行する「リリーサー(Releaser)」という2つのスマートコントラクトで構成される。スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で設定された条件に従って処理を実行するプログラムだ。アプリが徴収した手数料は、元のトークンのままトークン・ジャーに蓄積される。

TJARを利用するアプリは、変換後に受け取りたいトークンの種類、1回の交換で受け取る数量、送金先を設定する。この受取数量は、アプリ側が変更しない限り固定される。そのため、トークン・ジャーに資産が蓄積されても、1回の交換で受け取る数量が自動的に増えることはない。

実際の変換を担うのは、資産の交換による利益を狙う「サーチャー(Searcher)」と呼ばれる取引参加者だ。サーチャーは、設定された数量のトークンをリリーサーを通じてアプリが指定した送金先へ支払い、その対価としてトークン・ジャーに蓄積された資産のうち、選択した資産を受け取る。

また、アプリは変換後のトークンの送金先として、資金管理用のアドレスや、異なるブロックチェーン間で資産を移転するブリッジ、トークンを焼却するためのバーンアドレスなどを指定できる。トークン・ジャーは誰でも1回のトランザクションで設定可能で、設定内容は後から変更できる。

TJARの基盤となるトークン・ジャーの仕組みは、もともとユニスワップ・プロトコル(Uniswap Protocol)の手数料向けに構築されたものだ。ユニスワップ・ラボによると、この仕組みは9月に1,530万ドル(約24億円)を超える資産の変換を処理したとのことだ。

ロビンフッドは、同社が対応する各ブロックチェーンで、ユニスワップAPI(Uniswap API)を通じて徴収する手数料の変換にTJARを利用している。APIは、外部のサービスから特定の機能を利用するための仕組みだ。徴収された手数料は順次変換され、ロビンフッドは各トークン・ジャーから米ドルに価値が連動するステーブルコインのUSDCとUSDGで受け取っている。

TJARは、手数料を徴収するアプリのほか、ユニスワップの取引機能を拡張する「フック(Hook)」やブロックチェーン、API連携でも利用できる。既存のユニスワップAPI連携事業者は、手数料の受取先としてトークン・ジャーを指定することで利用可能だ。また、ユニスワップ・ラボは今後、対応ブロックチェーンをさらに拡大する予定だ。

参考:ブログ ・ドキュメント
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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