Zcash「NU7」の有効化ブロック高が決定、11/5ごろ実施へ

メインネットでの有効化ブロック高を3,543,405に設定

プライバシー保護機能を特徴とするブロックチェーン「ジーキャッシュ(Zcash)」の次期ネットワークアップグレード「NU7」について、本番ネットワーク「メインネット」での有効化ブロック高が3,543,405に決定した。NU7は従来の予定どおり11月5日ごろに実施される見込みだ。開発者のショーン・ボウ(Sean Bowe)氏が提出した仕様変更案が、10月21日に公式GitHubリポジトリへ取り込まれた。

今回の有効化ブロック高は、ジーキャッシュの仕様変更などを提案・文書化する仕組み「ジーキャッシュ・インプルーブメント・プロポーザル(Zcash Improvement Proposal:ZIP)」の編集者らが会議で合意したものだ。この合意を受け、ボウ氏は10月20日、NU7の導入仕様を定める「ZIP 259」の変更を提案した。変更案には、有効化ブロック高の設定に加え、関連するZIPの更新や提案ステータスの変更などが含まれていた。

NU7については、9月に開発関係者がアップグレードの内容と実施スケジュールで合意していた。具体的には、10月20日にメインネット導入の最終判断と有効化ブロック高の決定を行い、問題がなければ11月5日に有効化する計画だった。また、NU7はすでに検証用ネットワーク「テストネット」で有効化されている。

ブロック高とは、ブロックチェーンに追加されたブロックの位置を示す番号だ。ネットワークアップグレードでは、指定されたブロック高に達すると新しいルールが適用される。そのため、実施日時はブロックの生成状況によって変動する。11月5日という日付は、ブロック高3,543,405への到達予測に基づくものだ。

NU7では、ブロック生成間隔を現在の75秒から25秒へ短縮する。ブロック生成間隔とは、取引データをまとめたブロックが新たに生成されるまでの目標時間を指す。これにより、取引がブロックに取り込まれて最初の承認を得るまでの平均時間も短くなる。

また、NU7では、将来のマイニング報酬を補う「ネットワーク・サステナビリティ・メカニズム(Network Sustainability Mechanism:NSM)」を導入する。ジーキャッシュでは、新たなブロックを生成するマイナーに暗号資産(仮想通貨)ZECが報酬として支払われる。一方、新規発行されるZECの報酬は半減期によって減少するため、将来的な報酬の確保が課題となっている。そこで、NSMでは取引手数料の60%を流通から除外し、その資金などを将来のマイニング報酬として再発行する。再発行は2031年2月ごろから始まる予定で、ZECの供給上限が引き上げられることはない。

このほか、NU7では旧式のバージョン4(v4)トランザクション(取引データの形式)を無効化する。これに伴い、ジーキャッシュの初期から利用されてきたプライバシー保護方式「スプラウト(Sprout)」に残る資金は移動できなくなる。スプラウトでの資金移動には、無効化されるv4トランザクションが必要なためだ。そのため、スプラウトに資金を保有する利用者は、NU7の有効化前に資金を移動する必要がある。一方、新たなトランザクション形式は導入されず、既存のバージョン5とバージョン6の形式は引き続き利用できる。

参考:ダッシュボード・ギットハブ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。