オープンAIの年換算売上高、9月末に500億ドル近くに。従来報道下回る=報道

競合との比較に伴う売上高の集計方法の違いが背景

生成AI「チャットGPT(ChatGPT)」を開発する米オープンAI(OpenAI)の年換算売上高が、9月末時点で500億ドル(約7兆8,935億円)近くに達していたという。英「フィナンシャル・タイムズ(FT)」が、投資家向けに共有された財務資料をもとに10月8日に報じた。

年換算売上高は、特定の月や四半期などの売上高を1年分に換算し、その時点の事業規模を示す指標だ。会計年度を通じて実際に得た売上高とは異なる。

FTによると、9月下旬には同紙などが、オープンAIの9月末の年換算売上高を約700億ドル(約11兆509億円)と報じていた。今回伝えられた数値は、その報道値を下回る。

FTが報じた関係者の説明によるとオープンAIの投資家は、競合のアンソロピック(Anthropic)と年換算売上高を直接比較できるよう、集計方法を調整しようとしていたという。この調整の試みが、報道された数値に差が生じた背景にあるとのことだ。

同紙によると、アンソロピックは、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やグーグル・クラウド(Google Cloud)といったクラウド企業を通じた販売の売上高を含めている。一方、オープンAIはこれを含めていないという。 ・同関係者によると、投資家によるこうした調整の試みが、7月時点のオープンAIの年換算売上高を約400億ドル(約6兆3,148億円)とする報道につながったという。

オープンAIはその後、出資者に対し、年換算売上高が7月以降に70%超増加したと説明したという。先に報じられた7月の数値と、この増加率をもとに、9月末の年換算売上高を約700億ドル(約11兆509億円)とする報道につながったという。FTによると、OpenAIはこの数字を否定しなかった。

一方、FTによると、新たな投資家向け資料に記載された7月の年換算売上高は300億ドル(約4兆7,361億円)近くだった。OpenAIは今回のFTの取材にコメントを控えた。

オープンAIの収益源には、チャットGPTの個人・法人向け有料契約やAPIの提供などがある。APIは、外部のアプリやサービスから同社のAIモデルを利用するための仕組みだ。同社のサラ・フライアー(Sarah Friar)CFOは1月18日付の公式説明で、利用の拡大が売上高の増加につながると説明していた。その収益は、計算資源の拡充や技術開発に再投資するという。

オープンAIが3月31日に公表した資料では、その時点の月間売上高は20億ドル(約3,157億円)だった。企業向け事業は売上高の40%超を占めていたという。同社は、2026年末までに企業向け事業が個人向け事業と同程度の規模になるとの見通しも示していた。

オープンAIは3月31日、1,220億ドル(約19兆2,601億円)の出資コミットメント(出資の約束)を確保し、資金調達ラウンドを完了したと発表している。アマゾン(Amazon)、エヌビディア(NVIDIA)、ソフトバンク(SoftBank)が主要出資者となり、マイクロソフト(Microsoft)も参加した。OpenAIは、複数のクラウド企業や半導体企業との提携を通じ、AIの開発・提供を支えるインフラの拡充を進めている。

参考:FT
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。