暗号資産取引所FTXが分散型取引所「Serum」をローンチ予定

暗号資産取引所FTXが分散型取引所「Serum」をローンチ予定

暗号資産(仮想通貨)のデリバティブ取引所FTXがDEX(分散型取引所)Serum(セラム)をローンチすることを発表。SerumはSolana Blockchain上で構築されるDEXだ。

Solana Blockchainはパーミッションレスのブロックチェーンで、200のノードからネットワークが形成されている。コンセンサスアルゴリズムはPOH(Proof of History)を実装していて、毎秒50,000以上のトランザクションの持続的なスループットをサポートしている。

Serumのホワイトペーパーによると、DeFi(分散型金融)サービスが数多くリリースされているが、根本的な欠陥が多く残っているとのこと。例えば取引認証スピードが遅いこと、手数料が高いことが大きな問題としてそこであげられている。それが多くのユーザーが取引をする際に、DeFiを選択せずに中央集権取引所を利用している理由だとしている。 

そのほかの課題としてステーブルコインの設計方法、取引オーダーブックの設計方法、BTCとETHなど異種通貨を取引するためのクロスチェーンサポートなどがホワイトペーパーであげられている。

そしてSerumは現在のDeFiの課題を解決し、中央集権的な取引所と同様のレベルでユーザーにサービス提供をすることを目的として開発されているプロトコルであるとのこと。CoindeskのSerumチームへの取材によれば、近日中にサービスがローンチされるとのこと

Serumは、Serum ecosystemのユーティリティートークン「SRM」、Cross-Chain Swaps(クロスチェーンスワップ)、Orderbook(オーダーブック)、Ethereumとの技術的な統合、クロスチェーン決済契約の実装、SerumBTC、SerumUSDの7つを主な構成要素としている。

ユーティリティートークンの「SRM」は、100億SRMを発行上限として発行される予定だ。Serumローンチ時に、100億SRMの10%に相当する10億SRMをプレセール、チーム、コントリビューターに供給される予定とのこと。そしてSRMは1年から7年の間にスマートコントラクトのロックが解除され、売買など可能になるとのこと。なお現段階でSRMはSerumにおける手数料の支払いや手数料の割引などに利用されるとのことだ。

ホワイトペーパーではその他のDEXとSerumの違いとして、Cross-Chain Swaps(クロスチェーンスワップ)について詳しく記載されている。

それによるとSerumと従来のDEXの違いは、取引の認証者にあるとのことだ。Serumでは全ての取引をノードを介さなずスマートコントラクトで取引の認証をするが、従来のDEXでは、Operator(オペレーター)などが取引の行われた最終プロセスとして取引の正当性を判断する仕組みになっている

編集部のコメント

Solana Blockchainは、オラクルソリューションを提供するChainlink(チェーンリンク)、韓国のステーブルコインプロジェクトTerra(テラ)、ワンクリックログインサービスを提供するTorus(トーラス)、メッセンジャーアプリkikを提供するkin(キン)とパートナーシップを結んでいます。

SolanaはEthereumやBitcoinとの相互運用性が非常に高く、グローバルネットワークとして機能しうるパブリックブロックチェーンではないかと期待しています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

images::iStock/xu-bing・Nuthawut-Somsuk)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

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