シタデル・セキュリティーズ、企業業績に連動する予測市場のSEC監督を要請

インサイダー取引や市場監視の分断を懸念

米マーケットメーカーのシタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)が、米上場企業の業績などに連動するイベント契約について、米証券取引委員会(SEC)の監督対象であることを明確にするよう求めた。9月9日付でSECと米商品先物取引委員会(CFTC)に提出した意見書で見解を示した。

この意見書は、SECとCFTCによるデリバティブ(金融派生商品)の規制上の区分などに関する共同意見募集に応じたものだ。両当局は、新たな金融商品に対する管轄を明確にする方法などについて意見を募っていた。

イベント契約は、特定の出来事が起きるかどうかなどに応じて支払額が決まる金融商品で、予測市場で取り扱われる。今回の意見書では、上場企業が公表する重要業績評価指標(KPI)に連動する契約などが取り上げられた。

シタデル・セキュリティーズは、企業が特定のKPIを達成するかどうかで支払いが決まる契約について、その企業が発行する証券の価値に関わるとして、米証券法上の証券に該当すると主張した。証券ベースのスワップに分類される場合も、SECの管轄になるとの見解を示した。

また同社は、こうした商品がSECの規制の枠組みから外れると、現物株式と関連するデリバティブを横断する監視が分断されると指摘した。未公開の重要情報を使った取引や相場操縦への対応、投資家保護が損なわれる恐れがあると同社は述べている。

さらに同社は、取引所がCFTCの自己認証制度を利用し、SECの管轄を回避することにも反対した。意見書によると、CFTCでは取引所が新商品の法令適合性を自ら認証することで、最短で翌営業日から取引を始められるという。

このほか同社は、株式に連動する無期限デリバティブについても、規制上の区分を明確にするよう要請した。SECには、新商品の審査を迅速かつ効率的に進めることも求めた。

なおシタデル・セキュリティーズのCEOであるペン・ジャオ(Peng Zhao)氏は、予測市場プラットフォーム「カルシ(Kalshi)」が2025年6月に実施した資金調達に、個人として参加していた。

また米メディア「セマフォー(Semafor)」によると、同社社長のジム・エスポジート(Jim Esposito)氏は今年4月16日、予測市場への流動性供給を通じた参入の可能性に言及していた。機関投資家が地政学的リスクなどをヘッジする手段として、イベント契約を活用できるとの見方を示していた。

さらに、シタデル・セキュリティーズは、予測市場事業「OG.com」を立ち上げた暗号資産(仮想通貨)取引所クリプトドットコム(Crypto.com)にも出資している。この出資は「ロイター(Reuters)」が今年7月16日に報じていた。

参考:意見書
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。