ネットスターズとカイア財団がMOU、アジア通貨建てステーブルコインの国内店頭決済へ

訪日客の支払いに対応、加盟店は日本円で受け取りを想定

決済サービス提供のネットスターズが、パブリックブロックチェーン「カイア(Kaia)」を運営するカイアDLT財団(Kaia DLT Foundation)と基本合意書(MOU)を締結したと9月11日に発表した。両者は、アジアにおけるステーブルコイン決済の利用拡大を目指す。 

両者は、カイア上で発行・流通するステーブルコインと、ネットスターズの決済サービス「スターペイ(StarPay)」および「ステーブルコインペイ(Stablecoin Pay)」の接続に取り組む。訪日外国人が自国通貨に連動するステーブルコインで支払い、日本の加盟店が円で代金を受け取れる仕組みを検討する。

具体的には、韓国ウォン、香港ドル、台湾ドル、東南アジア主要国の通貨に連動するステーブルコインへの対応可能性を検討する。加盟店がステーブルコインを直接保有せずに、新たな決済手段を受け入れられる環境を目指す。

また、複数通貨建てステーブルコインの交換や流動性供給、加盟店への清算の仕組みを共同で検証する。カイアのエコシステムで外国為替取引を調整する基盤「Ratio」の活用も検討対象となる。

ネットスターズによると、スターペイの加盟店は約70万拠点で、年間決済取扱高は2兆円を超える。今回の協業は、既存の決済基盤とWeb3金融サービスをつなぐ「スターペイエックス(StarPay-X)」構想の一環だ。

両者は今後、技術・制度・事業面から実現可能性を検証し、対象となるステーブルコインや加盟店、提供方法などを検討する。今回の発表では、具体的な提供開始日は示されていない。

カイアは、LINEの「フィンシア(Finschia)」と韓国カカオ(Kakao)の「クレイトン(Klaytn)」の統合によって誕生したレイヤー1ブロックチェーンだ。イーサリアム仮想マシン(EVM)との互換性を持ち、ステーブルコインを活用した決済や送金などの金融サービス向け基盤として展開されている。

なおネットスターズは、今年7月にステーブルコインペイの提供を開始している。8月17日には、ローソンゲートシティ大崎アトリウム店で、既存のPOSレジとステーブルコインペイを連携させた店頭決済の実証実験を実施した。実証では、米ドル建てステーブルコイン「USDC」「USDT」と日本円建てステーブルコイン「JPYC」を用い、複数のブロックチェーンに対応した決済が正常に動作することを確認した。

またネットスターズは、スターペイエックス構想のもと、協業先を拡大している。これまでに、アプトス(Aptos)、ビットゲットウォレット(Bitget Wallet)、オールスケール(AllScale)、スターテイルグループ(Startale Group)、カントン財団(Canton Foundation)、imTokenとのMOU締結を発表している。

これらの協業を通じ、利用可能なチェーンやウォレットの選択肢拡大を目指す。スターテイルグループとは、日本円建てステーブルコイン「JPYSC」を含むデジタル通貨の決済利用も検討している。

参考:ネットスターズ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。