富士通が金融機関向けに専有型AIプラットフォームの開発を開始
富士通が、AI活用を支援する専有環境のAIプラットフォーム「ユーバンスフォーファイナンスAIトランスフォーメーションプラットフォーム(Uvance for Finance AI Transformation Platform:以下、本プラットフォーム)」の開発予定を7月28日に発表した。同開発は8月1日より開始されるという。
また同社は、2027年3月に本プラットフォームの提供を開始し、融資審査や関連事務に加えて、営業店の事務やコンプライアンス対応、レポーティング業務、顧客対応などの業務に対応する機能を順次実装するとのことだ。
発表によると、今回の開発は日本の地方銀行をはじめとした金融機関向けに行われ、機密性の高い金融データに対してAIを安全に活用することが可能になるという。
また本プラットフォームは、専有型AIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi Enterprise AI Factory」を基盤に、大規模言語モデル「タカネ(Takane)」や、脆弱性に対応するガードレール技術などのセキュリティ要件に応じた生成AIトラスト技術、業務特性に応じて自律的に業務をこなすマルチAIエージェントなど富士通のAI技術を搭載するという。
Fujitsu Kozuchi Enterprise AI Factoryは、顧客企業が生成AIモデルの開発・運用・追加学習までの一連のサイクルを自律的に回し、生成AIのモデルやエージェントなどを継続的に改善できる専有型AIプラットフォームだ。またTakaneは、富士通とカナダのAIスタートアップ企業コーヒア(Cohere)が共同開発したエンタープライズ向け大規模言語モデルで、本プラットフォームでは金融機関特有の商習慣、法制度、専門用語などに対応するという。
富士通は本プラットフォームの特徴として、金融機関自身がデータや運用ルールなどをコントロールできる専有環境でのAI活用が可能になること、セキュリティ要件に応じたAI技術の搭載によるAIの判断根拠や挙動、潜在リスクを可視化し、AIの透明性や信頼性確保を目指すこと、Takaneの定額課金と従量課金を組み合わせた柔軟な料金体系によるAI利用コストの最適化支援を挙げている。
富士通によると、近年金融機関では、幅広い業務領域でAI活用への期待が高まっている一方、サイバー攻撃などの脅威に対しAIを安全に利活用できる環境確保や、AIを活用できる人材の不足やAI活用の拡大に伴う運用コストの増加などの課題があるとしている。またこれらの課題によって、AI活用は特定の業務や実証段階にとどまり、全社的な活用や継続的な運用に向けた基盤の整備が十分に進まない状況になっているという。
全社的な活用へつなげるために、AIを単なる業務支援ツールとしてではなく、業務プロセスや意思決定の中に組み込み、安全かつ継続的に運用できる環境が求められているとのことだ。
富士通は、AIモデル「クロード(Claude)」を開発・提供する米アンソロピック(Anthropic)との戦略的提携、「ChatGPT」提供の米オープンAI(OpenAI)との連携をそれぞれ今年5月に発表している。両社のAI技術と富士通の業種・業務知見などを組み合わせ、日本におけるエンタープライズ領域のAIトランスフォーメーションを加速する方針だ。ただし、今回の発表では、本プラットフォームへのClaudeやOpenAIのAI技術の搭載については言及されていない。
参考:富士通
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