CFTC、予測市場契約の審査枠組み案公表。スポーツ関連契約の拡大受け

CFTCが予測市場契約の規則案公表

米商品先物取引委員会(CFTC)が、イベント契約に関する「規則制定案通知(NPRM)」を公表し、一般からの意見募集を開始した。CFTCが6月10日に発表した。コメント期限は、同案の連邦官報掲載日から45日後とされている。

今回の提案は、予測市場で取引されるイベント契約のうち、商品取引所法(CEA)で定められた特定の活動に関わる契約について、CFTCが「公共の利益に反する」と判断する際の審査基準や手続きを明確にするものだ。対象となり得る活動には、テロや暗殺、戦争、ゲーミング、連邦法または州法上違法な行為に関連する契約が含まれる。提案では、契約がこれらの活動に関わる場合、その契約が公共の利益に反するかどうかを評価するとしている。

CFTCによると、近年はスポーツイベントを参照する契約を含め、イベント契約の数や種類が増加しているという。こうした動向を受け、契約ごとの判断に用いる体系的な審査枠組みを設けるとしている。

今回の提案では、90日間の審査プロセスや公共の利益に関する判断要素を定めるほか、「関わる(involve)」や「ゲーミング(gaming)」といった主要な法定用語の定義も示している。CFTCによると、この90日間のプロセスは、対象契約の審査期間を指すもので、意見募集期間とは異なる。

また提案では、スポーツ関連契約について、最終スコア、得点差、勝敗、トーナメント進出、個人またはチームの統計成績、シーズン成績などに基づく契約は、公共の利益に反しない方向に働く要素として示された。一方で、選手の負傷、審判判断、乱闘、大学未満のスポーツイベントなどを対象とする契約は、公共の利益に反する可能性が高いものとして整理されている。

CFTC委員長のマイケル・セリグ(Michael S. Selig)氏は、「今回の提案は、議会が精査を求めた契約を特定するための、持続的で透明性のある枠組みを委員会に与えるものだ」と説明。「責任あるイノベーションを妨げることなく、規制市場の完全性を守る」と述べた。

なお、予測市場を巡っては、カルシ(Kalshi)やポリマーケット(Polymarket)などの事業者がスポーツ関連契約を提供している。これについて一部州政府は、州法上の賭博やスポーツベッティングに該当すると主張し、差止命令や訴訟に発展している。

一方CFTCは、CFTC登録の指定契約市場(DCM)で取引されるイベント契約は、商品取引所法の下で同委員会の排他的管轄に置かれるデリバティブ取引だとの立場を示している。

今年4月以降には、CFTCが予測市場を巡る規制権限について、アリゾナ州、コネティカット州、イリノイ州、ニューヨーク州、ウィスコンシン州などを提訴している。CFTCは、州による規制が予測市場を監督する同委員会の排他的権限を侵害していると主張している。

また米第3巡回区控訴裁判所は4月6日、ニュージャージー州当局によるカルシのスポーツ関連イベント契約への州賭博法適用を差し止めた連邦地裁の仮差止命令を維持した。同裁判所は、カルシが提供する同契約について、CFTC認可のDCMで取引されるCEA上のスワップに該当し、CFTCの排他的管轄に置かれるとの判断を示している。

参考:CFTC 
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。