ETHZilla、転換社債の償還資金として7450万ドル相当のイーサリアム売却

ETHZillaがDATからトークン化事業に戦略転換

米ナスダック上場企業のイーサジラ(ETHZilla)が、保有する暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の一部を売却したと12月22日に発表した。このことは、同社が12月19日付で米証券取引委員会(SEC)に提出した書類「フォーム8-K」でも確認できる。

イーサジラはフォーム8-Kの中で、2025年12月15日以降に約24,291ETHを合計7,450万ドルで売却したと開示した。平均売却価格は1ETHあたり3,068.69ドルだった。同社は、この資金の全部または大部分を、シニア担保付き転換社債の償還(mandatory redemption)に充当する見込みとしている。

同書類によると、売却後のイーサジラのイーサリアム保有残高は約69,800ETHとなった。その評価額は約2億ドル(約313億4,800万円)規模だという。今回の売却は同社にとって2度目のETH売却となる。

イーサジラは今年10月にも、約4,000万ドル(約62億6,900万円)相当のETHを売却している。こちらは株式買い戻しの原資に充てる目的だったと説明されている。

同社はもともと、ナスダック上場のバイオテクノロジー企業「180ライフ・サイエンシズ(180 Life Sciences)」として事業を展開していたが、今年7月にイーサリアムを保有資産とするデジタルアセット・トレジャリー(DAT)戦略を採用。暗号資産をバランスシート上で保有する方針へと転換していた。またイーサジラへのリブランディング計画も発表されていた。

しかし12月19日付のフォーム8-Kでは、同社がイーサリアム売却や株式発行などの資本調達策を検討しつつ、現実資産(RWA)のトークン化を含む事業計画を進める方針も示されている。

また同社は、投資家向けに公開してきたmNAV(純資産倍率)ダッシュボードについて、提供を停止する方針を示した。今後は定期的なバランスシート情報の開示にとどめるとしている。

なお暗号資産を財務戦略に組み込む企業を取り巻く環境では、市況や資本構成を踏まえ、保有する暗号資産を売却して負債管理や資本政策を優先する動きもみられる。今回のイーサジラの対応も、そうした流れの一例といえる。

 参考:フォーム8-K
画像:Reuters

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。