ソフトバンクとネイバーファイナンシャル、米TBCASoftに約27.5億円を出資

ソフトバンクとネイバーファイナンシャル、米TBCASoftに約27.5億円を出資

通信事業者向けに特化したブロックチェーン技術を開発する米TBCASoftが、シリーズBラウンドにて2,500万ドル(約27.5億円)の資金調達をしたことを8月4日に発表した。なおこのラウンドでは韓国インターネット大手であるネイバー(Naver Corporation)の子会社であるネイバーファイナンシャル(Naver Financial Corporation)が主導し、既存投資家のソフトバンク株式会社が参加した。

リリースによると、ネイバーファイナンシャルは2,000万ドル、ソフトバンクは500万ドルの出資を行った。なお総出資額ではソフトバンクが最も出資しており、次いでネイバーファイナンシャルが出資額2位となるようだ。

TBCASoftはクロスキャリア決済ブロックチェーンネットワーク「HIVEXネットワーク」を開発しており、ユーザーは自身のモバイルアプリを利用してQR決済が行えるようになるという。現在「HIVEXネットワーク」のサービス提供開始に向け準備を進めているとのことで、規制当局の承認を受ける予定となっているとのことだ。

なお今回調達した資金については「HIVEXネットワーク」の国際的な展開を強化する為と人材確保及びイノベーション推進に利用されるとのこと。

TBCASoftはサービス展開を日本と台湾から開始するとしており、ソフトバンクが「HIVEXネットワーク」に参加すべく規制当局への手続きを進めていくと説明している。また台湾では同国にてモバイル決済サービス「Pi」を提供するPCホームインターペイ(PChome InterPay, Inc.)と、同じくモバイル決済サービス「GtPay」を提供するアジアパシフィックテレコム(Asia Pacific Telecom Co. Ltd.)との契約が済んでいるとのことだ。

ソフトバンク グローバルアライアンス・投資戦略本部長 深澤実樹氏のコメント

ソフトバンク株式会社のグローバルアライアンス・投資戦略本部長である深澤実樹氏はリリースにて「2017年にTBCASoftに初めて投資して以来、通信事業者向けブロックチェーンコンソーシアムの代表格であるCBSGコンソーシアムの設立や、モバイル決済のフィールドトライアルの実施など、革新的な取り組みを共同で行ってきました。

これらの取り組みを通じて、世界中のより多くの通信事業者と提携することができ、現在ではグローバルで20社のメンバー企業がいます。当社はBeyond Carrier戦略に基づき、従来の通信事業者の役割を超えて、さまざまな業界に革新的なサービスを提供してきました。今回の新たな投資によりTBCASoft社との関係を強化し、世界中の通信キャリアやモバイル決済パートナーとともに、クロスキャリア決済システムのネットワークをグローバルに拡大していきます」とコメントしている。

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参考:TBCASoft
デザイン:一本寿和
images:iStocks/antoniokhr

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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