FTX 資産の清算案承認の影響解説、XLM新発表で事実売りか。Friend[.]Techとは? (暗号資産 週間マーケットレポート 9/19号)

特集 暗号資産 週間マーケットレポート

9/10~9/16週のサマリー

  • PayPalが暗号通貨を米ドルに変換できる「Off Ramps」をサービスに追加
  • 米NASDAQがブラジルの資産運用会社Hashdexとのイーサリアム混合ETFをSECに申請
  • 米国の裁判所は経営破綻したFTXが保有する暗号資産の売却を許可

暗号資産市場概況

9/10~9/16週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+2.74%の3,933,400円、ETH/JPYの週足終値は同+0.19%の242,275円であった(※終値は9/16の当社現物EOD[9/17 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、週初よりFTXが保有しているトークンの売却懸念が広まったことで大きく売り込まれ、ビットコイン価格は一時25,000ドルを割る展開。売り手が不在になるとショートカバーを挟み、週央にはデラウェア州連邦裁判所にてFTX側が提示した資産清算案が承認される運びとなった。

清算案承認後の市場は堅調に推移した。これは、市場参加者が当初織り込んでいたよりも市場への影響が抑えられそうとの認知が広まったことが主因と考えられる。具体的には、以下の2点が挙げたい。

1点目は、暗号資産マーケットメーカーのDWFや、大手暗号資産取引所HuobiアドバイザーのJustin Sun氏等がFTX資産の購入オファーを検討するなど、大口による売却圧吸収の可能性が出てきたこと。

2点目は、提案書と裁判所の承認内容だ。FTXは約34億ドルの暗号資産を保有しているが、初週は5,000万ドル、次週以降は1億ドルの売却上限が設けられており、売却時は10日以上前に米管財人に報告を行う必要があることから、売却は半年以上に及び、ある程度分散される見込みが立ってきたといえる(週上限を2億ドルに引き上げるオプションも存在し、上限引き上げにより短くなる可能性は残る)。

34億ドルの暗号資産のうち1億ドル超の資産はSOL(11.62億ドル)・BTC(5.6億ドル)・ETH(1.92億ドル)・APT(1.37億ドル)・USDT(1.2億ドル)・XRP(1.19億ドル)(※Krollのデータより)。このうち最大額となるSOLについては2028年まで徐々にロックが解除される仕組みであり、現時点で半数以上が売却不可となっている(2025年3月にまとまったアンロックが発生する)。仮に1億ドル分のSOLが市場売却される想定をした場合、週間出来高に占める割合は4%程度であり、極端に大きいとはいえない。

FTXの件以外ではステラルーメン(XLM)の値動きが目立った。月初に公式Xアカウントがティーザーを投稿して以来、約20%の上昇を見せていたXLMだが、実際に発表されたランディングページは投資家の期待に沿った内容ではなく、事実売りの展開となり、8%ほど下落。8月に導入された新プラットフォーム「Stellar Disbursement Platform」のさらなる進展のような内容が期待されていた可能性がある。

次週以降のイベントについて、執筆時点での米金利利上げ織り込みが98%程度の据え置き予想となっているとおり、FOMCは「金利は据え置くが今後についてはデータ次第」といったノーサプライズで進行することが予想される。一方で、サウジアラビアの自主減産延長など、収束しかけてきたインフレに対する懸念材料(資源価格の高騰)が発生してきている。また、歴史的に9月第3週以降は米株が年間を通じて最も季節性の悪い時期を迎える。米株の影響を受けてビットコインにとっても苦しい時期となるのが例年の9月後半であるため、十分に注意されたい。

XLM/USDチャート 9/1~9/16(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC月次リターン

coinglass提供の表にてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/USD週間チャート(30分足)

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

9/10~9/16週の主な出来事

9/17~9/23週の主な予定

今週のひとこと「SocialFi(ソーシャルファイ)~Friend.Tech(フレンドテック)~」

SocialFiとは、SNS(Social Networking Service)とFinance(金融)を融合させた概念のことです。NFTゲームで稼ぐ「GameFi」や体を動かすことによって暗号資産を入手する「Move to Earn」とともに、ブロックチェーンを活用したマネタイズ手法として昨今注目を集めています。

特に今年8月にローンチされた「Friend.Tech(フレンドテック)」が話題です。X(旧ツイッター)アカウントと連携することにより、独自のソーシャルトークン「Keys」が発行可能となり、ユーザー同士のトークン売買も可能となります。

発信者がつぶやいたコメントや画像・動画といったコンテンツ配信がビジネスの対象となり、かつ資産性を持たせることができるようになるということです。今後影響力が伸びそうなインフルエンサーの「Keys」を購入して価値が上がったところで売却するという使われ方もされています。

DefiLlamaの最新データによれば、手数料ランキング、収益ランキングともにベスト5以内にランキングされています。SocialFiの新たな形となる可能性もあるため、今後も動向を注視していきたいプロジェクトの1つとなっています。

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この記事の著者・インタビューイ

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