ユニチェーン、OPエンタープライズへ移行。OPスタックチェーン間の相互運用に向け

ユニチェーンのメインネットは10月29日に移行予定

分散型取引所(DEX)「ユニスワップ(Uniswap)」の開発を手がけるユニスワップラボ(Uniswap Labs)が、同社開発の「ユニチェーン(Unichain)」を、企業向けインフラサービス「OPエンタープライズ(OP Enterprise)」へ移行すると10月9日に発表した。

テストネットは10月13日、メインネットは10月29日に移行する予定だ。今回の移行は、共通の開発基盤「OPスタック(OP Stack)」を採用するブロックチェーン間の相互運用機能に対応するためのものだ。

ユニチェーンは、DeFi(分散型金融)向けに開発されたイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ブロックチェーンだ。イーサリアムのセキュリティを活用しながら、取引を高速かつ低コストで処理することを目的としており、すでにOPスタックを基盤として採用している。

OPスタックは、オプティミズム(Optimism)の開発企業OPラボ(OP Labs)が開発する、イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンを構築するための共通の開発基盤だ。一方、OPエンタープライズは、OPスタックを利用する企業向けに、ブロックチェーンの運用に必要なインフラや技術支援を提供するサービスだ。

具体的には、OPエンタープライズはネットワークの監視や障害対応、セキュリティ対策、アップグレードなどを支援する。企業が自らインフラを運用する形態に加え、OPラボが運用を担当する形態などが用意されている。

なお、今年1月29日に公開したOPエンタープライズの紹介記事(7月31日更新)では、ユニチェーンが同サービスの導入先として紹介されている。同記事によると、ユニスワップラボは、重大な障害への迅速な対応などを提供する追加サポート「ミッションクリティカル(Mission Critical)」を利用しているとのことだ。

今回の移行によってユニチェーンが対応を目指すのは、OPスタックを採用するブロックチェーン間で、ブリッジを使わずに資産を移動できる「ネイティブな相互運用性」だ。ブリッジとは、異なるブロックチェーン間で資産を移動するための仕組みを指す。

相互運用機能が稼働すると、ユーザーはユニチェーンと他のOPスタックチェーンの間で、資産を移動できるようになる。まずはETHの移動に対応する予定だ。オプティミズムは、ユニチェーンとOPメインネット(OP Mainnet)を同機能の初期対応先として挙げている。ただし、相互運用機能の具体的な提供開始日は明らかにされていない。

また、ユニスワップラボは、今回のアップグレードによって、ユニチェーンのユーザーがOPスタックの新しい機能やアップデートを提供開始に合わせていち早く利用できるようになると説明している。

一方、今回の移行によって、ユニチェーンのチェーンID、スマートコントラクト、ユーザーの資産残高、アプリケーションに変更はない。チェーンIDはブロックチェーンを識別するための番号だ。また、ユニスワップの「v2」、「v3」、「v4」についても、現在の展開状況が維持される。

セキュリティ面では、ユニチェーンは引き続き「ステージ1(Stage 1)」のロールアップとして運用される。ステージ1は、運営者への依存を減らす仕組みが一定程度整備されていることを示す分類だ。また、ブロックチェーンの取引処理結果に不正がないかを検証し、誰でも異議を申し立てられる「パーミッションレス・フォルトプルーフ」の仕組みも維持される。

スマートコントラクトのアップグレード権限についても、従来どおりオプティミズムのガバナンスとセキュリティカウンシルが管理する。

ネットワークの運用について、ユニスワップラボは、オプティミズムがメインネットとテストネットのシーケンサー、RPC、監視、障害対応などを担当すると説明している。シーケンサーは取引を処理する順序を決める仕組みで、RPCはアプリケーションやウォレットがブロックチェーンと通信するための窓口となる。

 

参考:ユニスワップ・オプティミズム
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。