今週もSBI VCトレード提供の暗号資産(仮想通貨)に関するウィークリー・マーケットレポートをお届けします。
7/26~8/1週のサマリー
- BitMEXに続きBitMartもサービス終了予定を発表、暗号資産取引所の閉鎖相次ぐ
- 日銀は金利を据え置きも、次回以降の追加利上げへ含みを持たせる
- 米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され金利据え置き、先行きの不透明感が増す
- キオクシア 純利益前年同期比46倍の好決算を達成する一方、先行き懸念へ対応するため自社株買いと株式分割の2つの株価対策
- 堅調な決算の米ハイパースケーラー株が上昇する一方、中国国産DUV報道と決算が重石となった半導体株は下落し明暗二分
暗号資産市場概況
7/26~8/1週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲6.13%の9,891,470円、ETH/JPYの週足終値は同▲5.23%の290,635円(※終値は8/1の当社現物EOD[8/2 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、「地政学リスクの緩和による買い戻し」と「半導体企業の見通し悪化および長期金利上昇による下押し圧力」が激しくぶつかり合い、ビットコインは62,500ドル~65,500ドルを乱高下するボラティリティの高い展開となった。
週初27日の暗号資産市場は上昇スタート。米国に続きイラン側でも攻撃停止の報道が伝わったことを受け原油先物価格が4%超急落。インフレ懸念の後退から米国債利回りに低下圧力がかかった。これにより、ビットコイン(BTC)先物買い戻しの動きから65,500ドル付近まで上昇。しかしその後、エヌビディア社の循環投資に対するクレジットリスクの台頭や、中国の国有企業が「液浸DUV露光装置」の量産を開始したとの報道を受け、日米韓半導体関連株が軒並み下落。BTCも投資家心理の悪化から連れ安となり、株式市場の急落に伴う追証対応(流動性確保)の投げ売りとみられる動きから、一時63,000ドル付近まで一段安となった。
29日の連邦公開市場委員会(FOMC)は、大方の予想通り政策金利の据え置きが決定された。声明では6月会合の認識が維持され、経済活動や雇用増加の堅調さ、失業率の安定を指摘しつつも、インフレは目標の2%に対して依然として高い水準にあるとの見方が示された。その後のウォーシュ議長の発言はタカ派姿勢を維持したものの、「市場が利上げを織り込めば、あえて(追加の)利上げを行う必要はない」と言及。これにより利上げ観測が後退して短期金利は低下した一方、2026年6月のFOMCにて今後の道筋を示すフォワードガイダンスの廃止が宣言されており、経済指標のたびに市場が乱高下するリスクが高まり、長期金利上昇となった。その結果、設備投資などで長期間の借り入れが必要なハイテク株を中心に売りが広がり、64,500ドルまで戻していたBTCも63,500ドル付近まで連れ安となった。
米国時間30日引け後のストラテジー社決算発表は、2026年第2四半期においてBTC価格の下落に伴い約82億ドルの純損失を計上、前年同期の約100億ドルの純利益から赤字へと転落。その後の決算説明会において、最大50億ドル(約7,900億円)相当のBTC売却計画を社内で協議したことが明かされた。これまで最大級の「買い手」であった同社が巨額の「売り手」に回る可能性が強まったことはネガティブ材料となったものの、資本効率の改善部分については市場から評価された模様。
また、為替市場では日銀による為替介入とみられる動きに加え、米国のベッセント財務長官による「円買い介入」を匂わせるメモが発見されたとの報道を受け、大引け間際に157円台まで急激な円高が進行。この円高の進行が重なり、BTC/JPYは7月上旬以来、1,000万円の大台を割り込んだ。
対象期間後の8月2日には、トランプ⼤統領がイランへの追加攻撃を見送ったとの報道があり、地政学リスクの後退期待から反転上昇への期待が高まった。今週の焦点は、トランプ氏の発言に対するイラン側の実質的な反応と、米雇用統計などの重要マクロ指標、それによる米長期金利の動向。為替動向も日米協調介入でどの程度の動きになるか注目される。
1) BTC/USD週間チャート(30分足)
2) BTC/JPY週間チャート(30分足)
3)米BTC現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格
4)米ETH現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格
5)米XRP現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格
7/26~8/1週の主な出来事
8/2~8/8週の主な予定
【今週のひとこと】 Strategy、ビットコイン保有価値の新指標を公表──「保有BTC枚数」だけでは見えない価値
ビットコイントレジャリー企業最大手のStrategy(旧MicroStrategy)は7月23日、ビットコイン保有価値を評価する新たな指標群を公表しました。同社はこれまで、保有BTC枚数やBTC Yieldなどの指標を用いて、自社のビットコイン戦略の成果を説明してきました。しかし、優先株や転換社債などを活用した資金調達が進み、資本構成が複雑化したことを受け、今回は「Net BTC」や「Net Reserve」といった、より企業の実態を反映した評価指標を導入しています。
今回の見直しの背景には、同社の事業モデルの変化があります。Strategyは近年、BTCの追加購入資金を調達するため、普通株だけでなく優先株や転換社債など多様な金融商品を発行してきました。その結果、「保有BTCが増えた」という事実だけでは、普通株主に帰属する価値や財務の健全性を十分に評価しにくくなっています。
そこで新たに重視されるのが「Net BTC」です。これは単純な保有BTC枚数ではなく、優先株や負債などを考慮したうえで、普通株主に実質的に帰属するBTC価値を示す指標です。従来のように「何枚保有しているか」だけではなく、「その価値が最終的にどれだけ株主へ帰属するのか」という視点を取り入れた点が特徴と言えるでしょう。
もう一つ注目したいのが「Net Reserve」です。これは手元のドル準備金を示す指標であり、配当や利払いなどの資金需要に対応できる余力を表しています。十分な現金を確保していれば、市場環境が悪化した局面でもBTCを売却せずに事業を継続しやすくなります。言い換えれば、Net Reserveは「BTCを長期保有し続けるための財務体力」を示す指標として位置付けることができます。
近年はStrategyだけでなく、世界各地でビットコイントレジャリー企業が増加しています。一方で、その多くは株式や社債などを組み合わせた資金調達を行っており、保有BTC枚数だけでは企業価値を比較しにくい状況になりつつあります。
今回のStrategyの取り組みは、単なる指標の追加ではなく、「ビットコイントレジャリー企業をどのような視点で評価すべきか」という新たな考え方を示したものと言えるでしょう。今後は「保有BTC枚数」という表面的な数字だけでなく、「実質的に株主へ帰属するBTC価値」と「BTCを売却せずに保有し続けられる財務余力」の両面から企業を評価する動きが広がる可能性があります。こうした視点は、今後同様の企業へ投資する際にも、重要な判断材料の一つになっていくのではないでしょうか。
このレポートについて
国内の暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」提供の週間マーケットレポートです。毎週月曜日に最新のレポートをお届けします。
<暗号資産を利用する際の注意点>
暗号資産は、日本円、ドルなどの「法定通貨」とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではありません。
暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
当社が倒産した場合には、預託された金銭及び暗号資産を返還することができない可能性があります。
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秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産を利用することができず、その価値を失う可能性があります。
暗号資産は支払いを受ける者の同意がある場合に限り、代価の支払いのために使用することができます。